特集

ビキニ環礁核実験場(マーシャル諸島)

江夏ディレクターインタビュー

ビキニ環礁の陸上はどんな様子でしたか?

江夏ディレクターインタビュー

江夏:南の島らしく青い空と海、白いビーチがあり、他の島と様子は変わりません。無人のためか、自然もより美しく保たれているようです。でも、森に入るとかつての核実験施設の観測施設(コンクリートバンカー)が朽ちたものが突如現れたりして、ここが実験の跡地であることを感じさせます。上空から撮ると普通の島、でも海に潜ると巨大な戦艦が大量に沈んでいるという特異な光景でした。

世界には核実験場はいくつかありますが、ビキニ環礁が世界中に知られ、世界遺産に登録されたのにはどういう理由があるのでしょうか?

江夏ディレクターインタビュー

江夏:人類史上最大の威力を誇る水弾実験が行われたということもありますが、やはり、日本の第五福竜丸が被爆したことも、その世界に知られるようになったきっかけの1つでしょう。この事件を契機に署名運動が起こり、原水爆禁止運動が世界中へ広がった影響が大きいですね。爆心地から160kmの立入り禁止区域外で被爆したあの事件がなければ、ビキニ環礁はこれほど知られていなかったでしょう。核の脅威が、世界中に認識されるきっかけとなりました。当時の乗組員も生存されていますし、現在、船は東京の第五福竜丸展示館で保存されています。