特集

ビキニ環礁核実験場(マーシャル諸島)

江夏ディレクターインタビュー

どのような核実験が行われたのですか?

江夏ディレクターインタビュー

江夏:数々の実験が行われましたが、1952年に広島原爆の1000倍の威力を持つ、水爆実験が行われました。その実験では、3つあった島のうち1島が半分以上吹き飛び、残りだけが島の原型をとどめています。また、爆心地の島は完全に跡形も残っておらず、残り1島も砂州のような約300mの細長い砂地が残るのみです。水爆の名前をブラボーと呼んだことから、爆心地に「ブラボークレーター」と言われる直径2km、水深80mにおよぶ巨大クレーターが水中に残っており、上空からも観測できました。

水中での取材の様子を教えてください。

江夏ディレクターインタビュー

江夏:1946年に第一回目の原爆実験が行われた際に、海洋戦をシミュレートするために、太平洋戦争で使われた71の戦艦が集められ爆破されました。水中に潜ると、日本の戦艦長門も残っています。船は吹き飛んでいたり裂け目ができていたりで、米空母サラトガのまわりには戦闘機の残骸や、大量の食器やレコードなども見られました。それらが時とともに朽ち、珊瑚が繁殖している状態です。水深が深く光が届かないため、爆発の全貌というよりは、徐々に生態系が回復している印象のほうが強かったですね。