特集

地球史を体感

ケニア山国立公園編 小澤ディレクターインタビュー

6月5日と12日の2週に渡って放送する「特集:地球史を体感する」。その1回目にあたる5日の放送では、世界遺産「ケニア山国立公園」が登場します。このアフリカ第2の高さを誇るケニア山に取材で実際に登った小澤ディレクターに、撮影の様子や登頂の際の苦労などを伺いました。

まず、今回実際に登山をしたケニア山とは、どんな山なのでしょうか?

ケニア山国立公園編

小澤:アフリカの東部で赤道直下の国であるケニアの首都のナイロビから車で北へ3時間ほどのところにあり、ケニア山を含めた周囲一帯が「ケニア山国立公園」として自然遺産に指定されています。ケニア山には5000m級の峰が複数あり、最も高いバティアン峰は5199mです。これはアフリカ大陸では「キリマンジャロ」に次ぐ高さになります。今回私たち取材班が登ったレナナ峰は、バティアン峰に比べると簡単に登れる山ですが、それでも4985mもあります。

富士山よりも1200mも高いですね。登山中の様子を教えてください。

ケニア山国立公園編

小澤:ケニア山の入り口地点はすでに標高が2400mほどです。そこから3000m付近の間には、「シロクロコロブス」という珍しいサルや、文字通りキャベツに似た「キャベツセネシオ」などの高山植物など動植物の姿を見ることができます。まず初日は高度に体を慣らすために3000m付近の山小屋で1泊したのですが、翌日に起きてみると私に高山病の症状が出てしまっていました。

それは大変でしたね。どのように取材を続けたのでしょうか?

小澤:そのまま登り続けるには危険なので、そこで1日休みを取り、翌々日から本格的に登山を開始しました。それまでは高山植物がところどころで見れたのですが、標高が4500mを越えると、一転して岩だらけの景色になります。その岩場をさらに登っていくと氷河が見えてきます。

赤道直下に氷河があるとは驚きですね。

小澤:ケニア山は300万年以上の火山活動でできたとされており、元々は7000m以上あったそうです。火山活動の停止後、地球が氷河期に突入すると氷河ができ、山肌が削られて現在の高さになりました。そして、その氷河はその後も一部が残っているのです。