特集

白川郷・五箇山の合掌造り集落

「生きている村」が世界遺産

これまでのお話では、江戸時代は産業で密かに加賀藩を支えていた地域ということですが、現在そこではどのような生活が行われているのでしょうか?

「生きている村」が世界遺産

槙:白川郷では1995年に世界遺産に登録されてから、観光客が年間100万人を超えるようになり、観光業が盛んになっています。一方、五箇山は先ほどお話ししたように規模の小さく素朴な集落です。若者たちは五箇山の外へ働く場を求め、集落では高齢化が進んでいます。世界遺産に登録された当時、五箇山の相倉の人口は90人でした。しかし、昨年春には40人になっていました。

柴:そんな中で私たちが注目したのが、昨年6月、相倉に2年ぶりに誕生した赤ちゃんです。41人目の村人となる赤ちゃんが病院から帰ってきたときの村の人々が心から喜んでいる様子を見て、映像を撮っている私たちもうれしくなりました。感動的な映像ですので、ぜひご覧になって、村の人々の喜びを感じていただけたらと思います。

最後に視聴者の方に、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」の魅力とはどのようなところかを伝えてください。

「生きている村」が世界遺産

槙:白川郷、五箇山は現在も人々が生活をしている村です。世界遺産としての保存と、変化していく人々の生活の両立がこれからの課題となっています。しかし、ほかの世界遺産のように遺跡ではなく、人々が息づく生きた村からこその魅力があるのです。そのことを映像から感じていただけたらうれしいです。

柴:集落の人たちが茅葺きなどの作業をお互いに助け合う制度である「結(ゆい)」は、時代の流れとともに減ってきています。でも、人々が助け合う、互助の精神は村人の心に今もしっかりと残っています。番組では、このような現代人が忘れかけているような日本の原風景に出会える映像も出てきますので、ぜひご覧になってください。。

世界遺産の歩き方

白川郷、五箇山には宿泊施設が整っており、合掌造りの建物を民宿として使用しているところも多数見られます。その中には囲炉裏を囲んで食事ができる民宿もあり、日本人ならどこか懐かしさを覚える風景です。
冬の雪景色は美しく、白川郷、五箇山の見所のひとつですが、寒さと降雪が厳しいので防寒対策が必要です。