現場レポート

Vol.28 2017年3月3日

幸せに誰かの犠牲は必要ない

思うように成績が伸びなくて勉強に行き詰ってきた佳織ちゃん。そんなところに「一緒に勉強する」と言ってくれていたお父さんが倒れて、しかもおじいちゃんまで雲の上に行こうといい始め…もういっぱいいっぱいになっていたんでしょう。自分さえ受験をやめれば、またみんなで一緒に笑いながらごはんを食べられるようになる、お父さんの病気も治るし、おじいちゃんもお金の心配なんかしなくていいようになる。
香夏子さんは「みんなの期待を一身に背負って」と言っていましたが、きっと信一さんも一夫さんもそんなことは考えていないと思うんです。期待するんじゃない、ただただ佳織が幸せになるための入り口を見つけてあげたい、そのために今自分が出来ることをしようと考えていたんだと思うんです。そうでなければこんなに辛い思いをしながら頑張り続けることなんて出来ないと思うんです。

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逃げたら全てが無駄になるぞ!

骨折した一夫さんが病院で「雲の上」の話をしましたが、この時の佳織ちゃんの心の動きがそれはそれは辛かったです。監督の演出は、純粋に心配しているところから、無心で「学問」として雲の成り立ちを話し…というものでした。
監督「深く考えずに、明るく雲の話してね。」

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勉強の成果を披露するつもりで

おじいちゃんに「勉強したんだな!」と褒められて得意気に笑っていたのに。そこから「死」という単語で「え?」と疑問を感じて…
監督「梯子の話あたりから自分のことを話しているんだ、とわかってきて。だから『そんなのイヤだ!』というのははっきりと強く。」
佳織ちゃん役の美紅羽ちゃんはいつも笑顔がとてもとてもかわいいです。だけどこういう辛いシーンで痛む胸を伝える、その熱情が本当にすごくて、見ているほうも本当に胸が痛みます。

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自分のせいで皆が辛い思いをするなんて

逃げ出したい。だけどこんなに頑張ってくれているお父さんに弱虫だと言われたらとても悲しい。何をやってもつらくて悲しいなら、大好きなお父さんに弱虫と言われないように。

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佳織のよわむし!!!

このドラマはあまり大きな動きをすることがありませんが、まるで信一さん、佳織ちゃんの心の激しい動きを見せるかのように走ってたたいて、そして抱きしめて。どうかこれだけは知っていて、「佳織のせいで」なんて誰一人思っていないということ。「佳織のためになるのなら」という不器用な愛情をどうかどうか受け止めて。心の悲鳴を吐き出すような父と娘、もう一度その絆を信じて、再び受験勉強に向かう桜井家をこれからも応援してください。

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