インタビュー

松本潤さん(深山大翔役)

深山大翔と松本潤

今回は、原作があるドラマと違ってオリジナルなので、台本は僕を想定した当て書きになっている部分があると思うんです。だから読んだときに「おー、なるほど。人からはこういうふうに見えているのか」って (笑)。自分では気づいていない自分がそこにいたり、気づいてるけど認めたくない自分がいたり。例えば深山が 0.1％にこだわるように、僕も他の人が「もうそこはいいんじゃない？」ってことでも、気になったら追及しようとするところとか。で、周りによく迷惑をかけてるなって (笑)
よくインタビューで「役との共通点はありますか？」って聞かれると、探すのに意外と苦労するんですよ。いつも役は役として受け止めて、自分と比較することをしないから。でも今回は、今の僕自身と比較することで見えてくる深山のキャラクターがあるような気がして、逆に共通点を探してますね。「こういう時、自分だったらどう言うかな」なんて考えたりしてます。

撮影前に準備したこと

刑事事件専門の弁護士ということで、僕がこれまで持っていた弁護士のイメージとは何が違うのか。例えば、役割とか裁判の仕組みとか専門用語…… そういうことは資料をいろいろ読みましたね。あとは、深山の思いやドラマに込めたいメッセージが、どうしたらきちんと届くだろうかとか、楽しんでもらえるだろうかということは、すごく考えています。
外見の準備で言えば、髪を切りました。弁護士役だからすっきりさせたかったのと、久しぶりのドラマなので気持ちのリフレッシュも含めて。役のイメージを膨らませながらスタッフと相談した結果、この形に。あと彼はあまりお金があるわけじゃないけど、こだわりは強い。そのポリシーはスーツにも表れるだろうということで、この紺色のスーツになりました。どうですか、いいですか (笑)？

深山を演じるにあたり

深山は、自分は自分というか、他者といてもあまり関係がない男なんですよね。ひょうひょうとしていて、それが型破りな弁護士につながっていると思うんです。だから真面目一辺倒ではなく、どこかつかみどころのないキャラクターに持っていけたらいいなと。現場で遊び心が沸いてくるくらい、僕自身が芝居を楽しみたいなと思っています。
歴史ある「日曜劇場」の主演ということでとても光栄に思いますが、だからと言って変なプレッシャーは感じていません。現状、喜びとか面白くなる要素しか見当たらないというのが正直なところ。もちろんしっかり準備していきます！

伝えたいテーマ

撮影前に制作陣と話したのが「100人いれば100通りの真実があるけど、事実はたった一つしかない」ということ。その人と事件との関り方によって事件の見方、語られ方はそれぞれ違ってくるけれど、起こった事実はたった一つ、ということです。そのたった一つの事実を必死に見つけていくわけですが、なぜそこまでするのかが今回のテーマ。0.1％に賭ける思いが、皆さんに伝わるといいなと思っています。
とはいえ、ドラマ自体は全然シリアスではありません (笑)。有罪か無罪かを問うのは難しいことですが、描いているのはその中の人間味。フィクションだからこそ伝えられることもあると思うので、楽しんで見て、かつ少し気持ちが明るくなっていただけたらいいなと思います。

『99.9』の現場に思うこと

深山は決してヒーローではないんですよね。さまざまな濃い登場人物がいて、その人たちが集まった群像劇としての面白さが、このドラマの魅力。だからこそ現場のチーム感を大切にやっていきたい。実際、本当に芸達者な人ばかりなので、セリフの間合いやテンションがほんのちょっと変わっただけで、その後の返しも変わって、思っていたゴールとは違う方向に落ち着いたりするんです。そういう掛け合いの面白さを感じながら芝居ができる環境、僕はすごく好きですね。そういう中で、深山大翔という人物像をいろいろ試してアプローチしていけたらと考えています。