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最終日 [ 9月30日(日) ]
優勝は、ペトロワ選手!
6−0、1−6、6−3
世界3位のラドワンスカ選手を下しました。
正直な話・・・
私、
今大会、ペトロワ選手をまったくマークしていませんでした。
たしかに、1回戦ペンシューアイ選手との試合を観て、調子は良さそうだなと思いましたが、まさか優勝するとは。
先週の大会では、途中棄権。
しかも、ペトロワ選手のコーチに話を聞いても、腰があまりいい状態じゃないと言っていました。足の太もものあたりにもテーピングを巻いていました。そんな状態で、このトップ選手ばかりが集う大会には、勝てないだろう。勝手にそう思っていました。
しかし勝負は、本当にわからないですね・・・。
今年の2月18日、ペトロワ選手は、今のコーチ(リカルド・サンチェスさん)に電話をかけました。
「私のコーチになってください。」
2月15日にウォズニアッキ選手との契約が終わったサンチェスコーチは、
一緒に闘うことを決めます。
「あのときのナディア(ペトロワ)は、もう引退を考えていた。」
とコーチもいうように、
当時のランキングは36位。世界3位まで上り詰めた、ペトロワ選手にとっては、30歳という年齢とこのランキングで、リタイアを考えていたようです。
「まだまだ、トップ10に入る力はある。」
そう感じたサンチェスコーチは、自分自身に、2つのコーチングの柱をたてました。
? フォアハンドの改善。
? メンタル面の安定。
フォアハンドの改善は、スペインでテニスを学んだサンチェスコーチにとっては、得意な分野。テクニックは、すぐに改善されました。
しかし、問題は、メンタル。
今大会のペトロワ選手の試合をご覧になった方は、よくわかると思いますが、
1ポイントミスをするたびに、怒りをあらわにする、非常に気性の荒い選手。
サンチェスコーチは、「一緒に闘う姿勢をはっきりと表現する」ことで、ペトロワ選手を引っ張っていくことにしました。
ポイントを取る度に、立ち上がりガッツポーズ。(生来こういう性格ということもあるのですが)少しでも、ペトロワ選手が消極的になれば、走ってオンコートコーチング。
練習のときから、良く声をかけて、もり立てます。
その成果が実り、このビッグトーナメントでの優勝をつかみ取りました。
優勝を決めた、ペトロワ選手は、その場で崩れ落ちました。
「自分のことが信じられない。」
そう話したペトロワ選手は、サンチェスコーチと喜びを分かち合いました。
この東レパンパシフィックテニスの栄冠。ペトロワ選手が再びトップ3に返り咲く大きなきっかけになることは間違えありません!
という訳で、
東レパンパシフィックテニス2012。これで、終了です。
1週間通った有明コロシアム。
色々な選手、関係者と話をして、取材をして、勉強させてもらいました。
そして、TBSの中継を観てくださった皆様、このブログ、ツイッターを観てくださった方々、本当に有り難うございました。
これからも、東レパンパシフィックテニスそしてTBSをよろしくお願いします!
有り難うございます!来年が楽しみです!
石井大裕
プロフィール
TBSアナウンサー 石井大裕 (いしい ともひろ)
生年月日:1985年6月5日
身長:185cm/体重:73kg
血液型:A型 出身:東京都
プレースタイル :オールラウンド(右利き/両手打ちバックハンド)
ジュニア時代、世界スーパージュニアベスト4、全日本ジュニア室内選手権準優勝などの成績を持つ、テニス歴20年の元テニスプレーヤー。尊敬する人は松岡修造さん。
2010年よりTBSアナウンサーとして奮闘中!大会終了までパンパシの魅力を伝えます!