作品紹介

第一章:尚武 太刀や鉄砲などの武具

大名はいうまでもなく武力でその支配権を確立した武士であり、軍事戦闘集団の長です。太平続く江戸時代においても大名はあくまでも武士であり、常に戦闘の準備は怠りなく進められていました。大名家では様々な「いくさ道具」を準備すると同時に、格式に相応しい武具を取りそろえ、武家の象徴として大切に守り伝えてきました。

(作品)
徳川家康画像(とくがわいえやすがぞう)(東照大権現像(とうしょうだいごんげんぞう)) 伝狩野探幽(かのうたんゆう)筆 江戸時代17世紀 (1/2〜1/27展示)

瑞雲に包まれ、束帯姿で宮殿内の上畳に坐す東照大権現像。家康は、天海大僧正を中心とする側近により神格化され、祭祀にあたっては山王一実神道による「東照大権現」号が採用された。

(作品)
銀溜白糸威具足(ぎんだみしろいとおどしぐそく) 江戸時代17世紀 徳川義直(とくがわよしなお)(尾張家初代)所用 (全期間展示)

義直は正月の具足祝いの儀式のために、毎年具足を新調していたが、中でも特にこの具足を好み、旅行の際には必ず携帯したと伝えられる。銀色に包まれた中に朱と萌黄(もえぎ)の色が鮮やかに映える華麗な具足で、製作年は不明であるが、製作者は尾張の甲冑師 加藤彦十郎正勝と伝えられている。

(作品)
[国宝]太刀(たち) 銘 国宗(くにむね) 鎌倉時代13世紀 (全期間展示)

尾張家八代宗勝が、四ツ谷家(高須松平家。尾張家二代光友の次男義行に始まる。)より元文4 年(1739)正月に尾張本家に迎えられた折に持参した太刀。国宗は、備前三郎の名で知られ、鎌倉に下向して相州鍛冶の基を開いたと伝えられる名工である。

※すべて徳川美術館蔵