2008年10月13日〜2009年3月23日(全22話

あらすじ:

第 12345678910111213141516171819202122 話

第16話:
『母と名乗れぬ過去悲し』/臼杵(2009年2月9日 放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は臼杵(うすき)に着いた。一行は廻船問屋の主人、豊後屋誠太郎(溝呂木賢)と、たえ(浜丘麻矢)夫婦と出会う。今は大店の主に納まる誠太郎には悲しい過去があった。
 誠太郎は幼い頃、実の母親に養子に出され、以来母とは生き別れたままだ。誠太郎は養家での厳しい暮らしに耐えられず、金を盗んで養家を飛び出した。しかし、行き倒れになり、豊後屋の先代、藤兵衛(はりた照久)に救われた。
 誠太郎は豊後屋で懸命に働き、藤兵衛の娘たえと所帯を持ち店を継いだ。誠太郎は間もなく生まれる子どもに無事に店を譲ることが、先代への恩返しだと考えている。今の幸せをかみしめながら、実の母への思いを秘かにつのらせる誠太郎だった。
 ところがその母は意外にも誠太郎の近くで暮らしていた。臼杵辺りで魚を売り歩くふみ(芦川よしみ)である。ふみは幼い誠太郎を手放した自分を責め、母と名乗ることもなく誠太郎の幸せを願っていた。
 だが運命のいたずらか、ふみと誠太郎が町でばったり顔を合わせてしまう。老公はその場に居合わせた格之進(合田雅吏)から、誠太郎がふみを母と呼び、ふみがあわてて立ち去ったと聞き、二人が母子だと確信する。老公は誠太郎に親子の深いえにしを説き聞かせる。
 運悪く、もう一人、二人の関係に気付いた人物がいた。豊後屋の繁栄をねたむ物産問屋の黒川屋(津村鷹志)だ。黒川屋は次席家老の大槻監物(近藤洋介)と結託して、誠太郎を思うふみの母心を巧みに利用し、二人をわなにはめる…


第17話:
『闇夜に消えた?女たち』/宮市(2009年2月16日 放送)

 防府天満宮に参詣し、宮市に入った水戸老公(里見浩太朗)は、この地で若い女性が行方不明になる事件が多発していることを知った。だが、奉行所では単なる噂に過ぎないとして取り合わず、娘たちを探し出して欲しいという人々の願いはかなえられなかった。
 正義感の強い御船手組(おふなてぐみ)の下級役人、笹岡伝八郎(小林正寛)だけは、娘たちを探索したいと上司に申し出るが役目違いだと一蹴される。御船手組とは海上警護や藩の船を取り扱う役所である。
 老公は伝八郎と出会いその人柄を好ましく思った。伝八郎は一行を町の食事所「ひさご」に誘い、自ら腕をふるって老公たちをもてなす。ひさごの女将、お千香(小田茜)と伝八郎は互いに思いを寄せているが、お千香は侍である伝八郎とは身分違いだと寂しそうな表情を見せる。
 さて、風車の弥七(内藤剛志)とお娟(由美かおる)の調べで、娘たちの誘拐事件の黒幕が、伝八郎の上司である組頭、平川典膳(伊吹剛)と差配、片倉半蔵(四方堂亘)であることが判明した。二人は廻船問屋の西国屋(横澤祐一)と手を組んで私服を肥やし、娘たちは海賊に売り飛ばそうという魂胆だ。
 娘たちの危機を知った早月(磯山さやか)は無謀にも自らおとりとなって悪人をおびき出そうとするが失敗し、捕らわれの身となる。さらにお千香まで悪人たちの魔の手に落ちるのだが…


第18話:
『金では買えぬ母の愛!』/岩国(2009年2月23日 放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は岩国に着いた。一行は手軽な手品を披露して旅をする金の亡者の若い女、お京(酒井彩名)と出会った。お京はしっかりしているようで危なっかしいところもあり、お娟(由美かおる)は心配で目が離せない。お京は、幼い頃自分を売り飛ばした母親を恨んでおり、金を稼いで見返したいのだとお娟に打ち明ける。
 ところで岩国一の紙問屋、蓬莱屋では跡取り息子の信太郎(塩野魁士)が部屋に引きこもり困っていた。番頭の左兵衛(曾我廼家寛太郎)はお京の芸に目を止め、信太郎に披露してくれと頼む。信太郎の母親、お春(三浦リカ)は自分にも心を閉ざした息子が、お京の芸に引き込まれる姿を見て驚き喜んだ。
 だが蓬莱屋に災いが降り掛かる。藩に納めた紙にかびが発生したというのだ。品質には自信のあるお春には信じ難いことだ。
 勘定奉行の加納玄之丞(島田順司)はお春を呼びつけて法外な損料を要求し、お春の打ち首までちらつかせて脅す。
 加納は紙の商いの独占を目論む紙問屋、高城屋(九十九一)と結託して蓬莱屋をわなにはめ、店を取り潰そうという魂胆である。だが紙すき職人たちがお春をかばい、家老の秋島忠篤(楠年明)にかびの真相を調べて欲しいと訴えた。
 悪事の露見を恐れた加納と高城屋は、お京を使って信太郎を誘き出し、蓬莱屋の商いの権利を取り上げようとするのだが…


第19話:
『酔いどれ侍、奮い立て』/松江(2009年3月2日 放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は松江に着いた。一行は勘定奉行、景山半左衛門(江藤潤)の放蕩息子、源一郎(比留間由哲)と知り合った。源一郎は昼間から酒を飲み、酔ってごろつきとけんかをするなどして、町の人々もあきれている。半左衛門が厳しく意見をしても源一郎は態度を改めようとはしない。
 源一郎の異母弟、進次郎(大沼遼平)は学問はできるが病弱だった。源一郎は義母、世津(川島美津子)の恩に報いるため家督を進次郎に譲ることを決め、わざと無頼を働いていたのである。源一郎に思いを寄せる芸者の染香(国分佐智子)だけが、源一郎の真意を知っていた。
 その染香に好色の次席家老、安部采女(あべうねめ・成瀬正孝)が目を付けた。源一郎は染香を巡って安部の家臣と乱闘になり、ついには半左衛門に勘当される。
 その頃、安部は、鉄の精製を任されている鉄山師(てつざんし)の長兵衛(丹古母鬼馬二)と結託して鉄を横流しして、私服を肥やしていた。お娟(由美かおる)は染香に頼まれて一緒に安部のお座敷をつとめ、安部の悪事を知った。
 一方、半左衛門も鉄の取引を巡る悪巧みに気付く。だが半左衛門は安部の計略にはまり、横流しの罪を負わされる。源一郎は父親が窮地に陥っていることを知るが…


第20話:
『踊り子の想いを繋ぐ天の橋立』/宮津(2009年3月9日 放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は日本三景の一つ、天の橋立を通り、宮津に着いた。一行は、ぶりの商いを一手に仕切っている網元の宗兵衛(綿引勝彦)と出会う。人々が安価にぶりを食べられるよう心がけている宗兵衛を老公は好ましく思った。
 豊漁を祝うために宗兵衛が招いた旅の芸人一座も到着し、宮津の町は賑わっている。一座の花形は踊りの太夫、梅若(山口あゆみ)である。けがをした座員に代わって、お娟(由美かおる)が三味線を、早月(磯山さやか)は太鼓を演奏して華やかな手踊りが披露された。
 ところで廻船問屋の黒磯屋源三(曽我廼家文童)は、宗兵衛から商いを取り上げ、金儲けをしようと企んでいた。黒磯屋は人足頭の鬼政(小林健)を使って宗兵衛に嫌がらせを繰り返す。梅若一座の踊りにも鬼政と手下が乱入する。
 そのとき鬼政の顔を見て梅若は驚いた。鬼政が十年前に離れ離れになり、以来ずっと梅若が探し続けていた、許婚の政吉だったからだ。
 梅若が宗兵衛に仇をなさいよう頼んでも、鬼政はかつての自分ではないと冷たくあしらい、聞く耳をもたない。鬼政の変心に戸惑う梅若は、お娟に政吉との悲しい恋のいきさつを語る。
 さて、黒磯屋のあまりの非道に耐えかねた宗兵衛は、老公を伴って町奉行の速水藤兵衛(中丸新将)に訴え出る。黒磯屋を叱責すると約束する速水だが、実は速水も黒磯屋の悪事に加担していたのである…



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