あらすじ:
『父帰る!ここは下田の湊町』/下田(2008年6月9日 放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は下田へ。一行は船人足の太吉(石本興司)、お君(木内晶子)夫婦と知り合った。お君に子どもができたことが分かり、太吉は喜ぶが、それ以上に、夫婦の近所に住むひとり者の留吉(石倉三郎)がうれしそうだ。
夫婦にはすでに両親はいないが、太吉は留吉が自分たちに見せる優しいまなざしとその態度から、留吉こそがお君が幼い頃別れたままになっていたお君の実の父親、竜三ではないかと気付いた。
太吉は留吉にお君の父親だと名乗り、生まれてくる子どもと一緒に家族として暮らそうと誘う。だが留吉は今のままでいさせてくれと断った。留吉はお君の父親ではないのだろうか。ふしぎに思う太吉だった。
そんなある日、太吉の家に大金が入った袋が投げ込まれた。太吉が奉行所へ届けようと考えていた矢先、役人が太吉の家に押しかけ、太吉は事情を話す間もなく盗みの罪で捕らえられてしまう。
その頃、与力の村野伝四郎(磯部勉)と廻船問屋の黒松屋(森次晃嗣)は、大店の駿河屋(森下哲夫)を失脚させようと企んでいた。黒松屋は駿河屋の蔵から献上品の絹織物を盗み出し、駿河屋を罪に陥れようとする。太吉はそのために献上品を盗んだ罪人に仕立てられてしまったのだ。
幸せの絶頂から突き落とされたお君を留吉が慰める。
留吉は太吉を救うため、自分が金を盗んで太吉の家に放り込んだと奉行所に名乗り出るが…。
『俺の姉に手を出すな』/小田原(2008年6月16日 放送)
小田原に着いた水戸老公(里見浩太朗)一行は、評判のよい旅籠「真砂屋」に宿泊する。真砂屋を取り仕切るのは、さよ(大路恵美)という若い女将。さよは弟の良太郎(黒田勇樹)に旅籠の跡をついで欲しいと願っているが、良太郎にはその気はなく、大好きなからくりの工夫を考えながら、街外れの寺に住み込んでのんびり暮らしていた。
良太郎は、新助(松井天斗)が江戸でよろず屋の修業をしていた頃の友人である。良太郎は空を飛ぶ道具を作るが実験に失敗し、大けがを負ってしまう。新助が良太郎の世話をする。
ところで小田原では、郡奉行の大原甚九郎(青山良彦)と料亭の主人、春駒屋久兵衛(仙波和之)が結託して、街を再開発して歓楽街を作ろうと企んでいた。そのためには真砂屋が邪魔になる。春駒屋は土地のやくざ粂蔵(丸岡奨詞)を使い、真砂屋に嫌がらせを繰り返す。
さらに粂蔵は、賭場の借金がかさんでいる真砂屋の板前を脅して宿泊客の食事に毒を入れさせた。大原は真砂屋に因縁をつけて取り潰す魂胆だ。さよの危機を知り良太郎が立ち上がった。新助も一肌脱ごうと張り切るが…。
『まぶたの母はおえん!?』/鎌倉(2008年6月23日 放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は鎌倉へ。一行は鎌倉の観光地図を売っている少女、茜(伊藤綺夏)の案内で楽しく名所を見物する。茜は縁あって浪人の伊原源三郎(寺島進)と助け合いながら古寺で暮している。茜はおえんという母親が時々旅先から送ってくる手紙を楽しみにしているが、それは実は源三郎が書いたものだった。
源三郎は、お娟(由美かおる)の名を知って、しばらく茜の母親に成り済まして欲しいと頼み込む。お娟を母親だと信じ、茜は嬉しそうな表情を見せる。
ところで鎌倉ではその頃、連続して放火が発生していた。土地を独占しようとする黒谷屋(田口計)と代官、鷺沼甚左衛門(中原丈雄)の仕業である。老公が鎌倉に立ち寄っているという噂を聞いた鷺沼と黒谷屋は悪事の発覚を怖れ、老公も亡きものにしようと企むが…
『禁断の園!大奥の謎』/江戸(2008年6月30日 放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は江戸へ。老公は、志保(小沢真珠)が医学の師、道庵(田村亮)と再会し、道庵の元で医師の修行を続けることを知り喜んだ。
一方、そのころ大奥では夜警中のお端下、おそで(栗原亜紀子)が不審な死を遂げていた。大奥には幽霊が出るという噂もある。
側室たちの世話をする、表使いの滝川(十朱幸代)の計らいで道庵がおそでの検死をしたところ、おそでは殺された後、井戸に投げられたことが分った。
滝川と滝川の息のかかった大奥の世話人、梅津与五郎(桂文珍)が事件の真相を探る。お娟(由美かおる)も大奥に潜入し、捜査を開始する。
すると側室、お京の方(飯沼千恵子)と歌舞伎役者、中村仙三郎(新田純一)の道ならぬ恋と、二人を利用して大奥の商いを一手に握ろうとする呉服問屋・三島屋(成瀬正孝)の悪巧みが浮かび上がる。
悪事の証拠をつかむため、老公も上様(堤大二郎)の許可を得て男子禁制の大奥に潜入し、滝川と共に幽霊が出るという開かずの間を調べるのだが…。