2005年1月10日〜6月6日(全20話

あらすじ:

第 1234567891011121314151617181920 話

第16話:
『お転婆ふたり恋の港町』/酒田(2005年5月9日放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は酒田に着いた。一行は元気のよい問屋の若い女主人・美津(勝野雅奈恵)と知り合った。美津は店の番頭・清七(比留間由哲)に恋心を抱いていたが、酒も飲まない堅物の清七に不満も感じていた。
 一行とは別行動の千太(三波豊和)は、道中ごろつきに絡まれているところを旅の女剣士・茜(仁科仁美)に助けられる。茜と同行することになった千太は、人を探しているという茜が、仇討ちをしようとしているのではないかと疑っている。
 その頃、酒田の町奉行・藤野軍左衛門(長谷川哲夫)と廻船問屋・水谷屋伊兵衛(青山良彦)は、港の改修工事に乗じて美津の店を手に入れ、その土地にさまざまな施設を作って私腹を肥やそうと企んでいた。
 藤野は、そのために伊兵衛の甥、吉蔵(小沢日出晴)と美津を夫婦にさせようと考えている。美津を奉行所へ呼び出し、吉蔵と結婚するよう厳しく言い渡す。美津は即座に断った。
 ところで茜が探していたいのは、行方不明の兄だったことが分かり、その兄が清七だったことが判明する。清七は実は侍で、小杉清之助という名前だ。
 清之助は庄内藩の江戸屋敷勤めの時、公金横領事件に巻き込まれてわなにはめられ、脱藩していたことを打ち明ける。
 茜は横領事件の犯人が捕らえられ、清之助の潔白が証明されたことを伝え、清之助に庄内へ戻って欲しいと訴える。清之助が戻らなければ、家を再興するために自分が望まない結婚をさせられると必死の表情だ。
 清之助が侍と分かれば、美津とは身分が違う。もはや恋の相手ではない。だが、老公は清之助も美津に思いを寄せていることを見抜き、好きな者同士が夫婦になることが一番だと清之助に優しく声をかける。
 落胆する美津を伊兵衛配下のやくざ者がさらう。美津を助け出そうと清之助が後を追うが…。


第17話:
『人間将棋に待ったなし』/天童(2005年5月16日放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は、将棋の駒作りで有名な天童に着いた。この地では盛んに将棋が打たれていたが、人々が仕事も忘れて賭け将棋に熱くなり、負けて女房を取られる不届き者まで出る始末。
 実は将棋好きの殿様・松平宗弘(神山繁)が将棋にうつつを抜かし、治世をおろそかにしているのだと聞き、老公は眉をひそめる。
 一行は駒作りの名人・秀作(中野誠也)の息子・太吉(林泰文)が、将棋が強いことを鼻に掛け、賭け将棋で金を稼いでは仕事もせずに酒を飲み歩いていることを知った。太吉は仕事の腕はよいのだがと、秀作は残念そうな表情だ。
 秀作を訪ねてきた旅の娘・おこう(天童よしみ)が太吉に増して将棋が強いことを見抜いた老公は、太吉をおこうと勝負させる。なめてかかった太吉が負ける。だが、太吉は自分の愚かさに気付かない。
 天童では、毎年町をあげての将棋大会が開かれ、優勝者が殿様と将棋を指せるという催しが行なわれる。太吉とおこうも参加し、二人は順調に勝ち進み、再び決勝で顔を合わせる。
 老公は秀作とおこうから、おこうが天童を訪ねてきた仔細を聞き、おこうが実は殿様の娘だと知った。おこうは父親である殿様と将棋を指し、父子の名乗りを上げたかったのである。だが、おこうは藩主としての務めをおろそかにしている殿様に失望したと語り、太吉との勝負を降りると言い出した。
 天童では、殿様が将棋に夢中になっているすきに、側用人と代官が悪事を企み、私腹を肥やしていた。老公は、殿様に過ちを気付かせることができるのは、実の娘のおこうだけだと励ます。
 さて、殿様とおこうの勝負が始まった。二人の勝負の様子は、人が駒を持って指し手通りに動く、大きな人間将棋の盤面で再現される。行き詰まる妙手の応酬。しかし、おこうは次第に殿様を追い詰めて行く。ついに殿様は「待った!」と声をかけるが…。


第18話:
『剣友の濡れ衣を晴らせ』/会津(2005年5月23日放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は、会津に到着した。助三郎(原田龍二)は七年前に剣術の試合をした相手、飯田作之進(勝野洋)を訪ねる。七年前、助さんは立ち会いに破れ、己の未熟を悟ったという。久しぶりに再会し旧交を温めようと考えた助さんだったが、飯田が陰謀に巻き込まれ、危機に陥っていることを知る。
 助三郎が訪ねると自宅に飯田の姿がなく、家中は物色されたあとが。驚いたことに、飯田は公金横領の疑いをもたれ、捕らわれの身になっていた。
 清廉な飯田が悪事を働くはずがないと、助さんは直感し、父の身を案じる娘の巴(吉野紗香)を励ましながら、飯田を助ける方法を思案する。
 その頃、別行動の鬼若(照英)とアキ(斉藤晶)は、一人の侍が多数の侍に襲われて斬られたところへ駆けつける。襲われた侍は、息を引き取る間際に飯田の名前を言い残した。老公は飯田がただならぬ事件に巻き込まれたことを知る。
 お娟(由美かおる)は芸者に扮して料亭に忍び込み、奉行の大野伊十郎(伊吹剛)と材木問屋の室戸屋喜兵衛(和崎俊哉)が結託して、河川改修工事の費用を水増しして、私腹を肥やそうとしていることを探り出した。あきれたことに、次席家老の垣内主膳(西沢利明)が悪事の黒幕だということも分かる。
 飯田は、工事に不正があることに気付き、その証拠をつかんだが、大野は飯田に罪をかぶせようとしていた。飯田が処刑される刻限が迫る。
 悪事を暴くには証拠が必要だ。老公は意外な場所にそれが隠されていることに気付く。


第19話:
『浪花女は銭の神様』/三春(2005年5月30日放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は三春へ。老公と助さん(原田龍二)、千太(三波豊和)が昼間から酒を飲んで羽目を外したため、路銀が底を着いてしまった。次の為替が届くまで数日かると格さん(合田雅吏)は渋い表情だ。
 助さんと格さんは、金貸しのおしか(中村玉緒)の所へ金策に走る。おしかは大坂から流れてきた女で、ハキハキものを言う性格。倹約家で日々の暮しも慎ましい。
 おしかは二人の頼みには快く応じたが、なぜか老公の顔を見た途端、手のひらを返したように態度が変わり、金は貸せないと断った。
 一行はおしかの家で働きながら、お金が到着するのを待つことになった。おしかは、老公にばかりきつい仕事を押し付ける。
 だが、老公は、人々が日々の生活で便利に使う小道にたたずむ野仏に、手を合わせるおしかの姿を見て、思いやり深いおしかの心根を知る。
 助さんと格さんそして千太、アキにまで慕われる、老公の優しさにおしかも気付き、次第に心を開くようになる。
 おしかは大坂で料理屋の仲居をしていた頃、米問屋の若旦那・梅次郎(里見浩太朗・二役)に見初められて夫婦になった。懸命に尽くしたおしかだったが、梅次郎は十年前女をつくって家を出てしまったという。
 やがて女に捨てられた梅次郎が、ここ三春で野垂れ死んだことを知って、そのまま居着いてしまったとおしかは老公に語る。梅次郎に生き写しの老公に会って、おしかは悲しい過去を思い出したのである。
 ところで三春の家老・堀内作左衛門(中原丈雄)は、呉服問屋の北村屋(出光元)と結託して私腹を肥やすため、人々の大切な小道を北村屋に払い下げると言い出した。ここを遊興の場にして儲ける魂胆だ。
 それでは困ると騒ぎ出した人々やおしかに、堀内はそれなら五千両を支払えと無理難題を突き付ける。おしかは人々のため私財を投げ打つ決心をする…。


第20話(最終回):
『恐怖の吊り天井!』/宇都宮(2005年6月6日放送)

 水戸老公(里見浩太朗)一行は、宇都宮の御城下へ。 ここまで来れば江戸へはもうすぐ。 一行の足取りも軽やかだったが、大工姿の男が斬り殺される現場に遭遇し、事件に巻き込まれる。
 男は大工の留吉だと分かる。 留吉は親方の嘉兵衛(石田太郎)と共に家老・関山茂左衛門の別邸の普請場で働いているはずだがと、嘉兵衛の娘・おゆき(宝積有香)は語り、留吉の変わり果てた姿に驚いた。
 一行はここで、江戸から嘉兵衛を訪ねて来ていた八重(岩崎加根子)と再会する。
 嘉兵衛たちが働く普請場で不穏な動きがあるようだ。助さん(原田龍二)、格さん(合田雅吏)と鬼若(照英)が人足に扮して普請場に潜入する。 助さんたちは、嘉兵衛たちが歯車を複雑に組み合わせた仕掛けのある、謎の部屋を作らされていることを知る。その部屋には恐ろしい吊り天井の仕掛けが隠されていた。
 またお娟(由美かおる)は、関山がその仕掛けを使って殿様を亡き者にし、藩政を牛耳ろうと企んでいることをつかんだ。
 一方柳沢吉保(橋爪淳)の密命を受けた忍びの弥惣次(リー村上)が関山に接触し、老公殺害を依頼する。
 関山は八重を捕らえ、老公と助さん、格さんを仕掛けの部屋におびき出す。 次第に天井が降りてくる… 絶体絶命の一行!



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