あらすじ:
『おっかさんは村の太陽』/岩国(2004年6月28日放送)
黄門さま(里見浩太朗)一行は岩国へ。
一行は織物名人のおかつ(山田邦子)と知り合った。
おかつの夫はすでにこの世になく、息子の卯之吉(佐藤琢磨)が庄屋の仕事を継いでいる。
元気で明るいおかつは村人に慕われているが、最近は機織りに夢中で仕事場にこもりっきりだ。
おかつに代わって、近所の娘おさと(渡辺奈緒子)が家事を手伝っている。
ところで、岩国では紙すきが盛んで、卯之吉の村でも人々が熱心に品物を作り、代官所に納めていた。だが近年、紙の品定めの基準が厳しくなり紙の値段は下がるばかり。
実は代官の中沢権六(草薙良一)が代金をごまかして私腹を肥やしていたのである。
そんなこととは知らない村の若者たちは、このままでは生活ができない、直訴しかないと物騒なこと言って卯之吉に詰め寄る。
ところが、こうした緊迫した人々の様子を見てもおかつは仕事に精を出すばかりで、卯之吉を助けようともしない。
いつか自分が織った反物を殿様にほめてもらいたいと、夢のようなことを黄門さまに語る。
やがて、おかつの願いが通じたのか、おかつの反物が家老の横道孫右衛門(滝田裕介)の目に留まった。
そのことを中沢から聞いて喜んでいるおかつを卯之吉はあきれている。
おかつはさらに新しい反物を織って横道に届けることになった。
いそいそと出かけるおかつを村人は冷ややかに見ている。
実はおかつはこの時を待っていたのである。
横道と対面したおかつは、ここぞとばかり中沢の悪行を訴える。中沢はおかつの口を封じようとするが…。
『京娘が秘めた謎!』/萩(2004年7月5日放送)
黄門さま(里見浩太朗)一行は萩へ。
焼き物に興味のある黄門さまは、萩焼の名人、古畑左衛門(森次晃嗣)の家にしばらく滞在することになった。
ところで左衛門の家には京都から来た娘、小夜(芳賀優里亜)が身を隠すようにして暮らしていた。
小夜は萩へ来た理由を左衛門にも明かしていない。よほど深い訳があるのだろうと黄門さまは察するのだった。
そこへ奉行所の役人、石山与兵衛(成瀬正孝)がやって来た。素性のしれない小夜がいることを怪しんだ石山を納得させるため、とっさに助三郎(原田龍二)が小夜の亭主だと偽り、一行は口裏合わせをする。
石山は奉行の榊原治兵衛(原口剛)の配下で、榊原と石山は藩が扱う材木を京都で売りさばく商人の大前屋と裏取引をして売り上げの一部を着服していた。
悪事を働く榊原と石山の心配事は、最近京都へ向かった材木担当の役人、高野清兵衛(曽我廼家寛太郎)の行方が分からなくなってることだ。
榊原は城代の正木喜左衛門(高野眞二)が自分たちの不正に気付き、その証拠をつかむために高野を京都へ行かせたのではないかと恐れていた。
それ故、石山は京都言葉を話す小夜の存在がなおのこと気に掛かるのだった。
石山はやがて小夜が京都の大前屋で働いていたことを思い出し、小夜も高野のように自分たちの悪事について探っているのでないかと不審に思うのだった。
さて、黄門さまとは別行動の千太(三波豊和)は、腹を空かして動けなくなっていた高野と出会った。
高野は優柔不断なさえない男だ。案の定、高野は城代に任された証拠探しに失敗して萩へ戻って来たのである。
高野は京都にいるとき乱暴されそうになっていた小夜を救い、知り合いだった左衛門のところへ身を寄せるよう言い聞かせて小夜を送り出したのだ。
高野が萩へ戻っていることを知った榊原は高野の命を狙う。
黄門さまは高野に代わって榊原たちの悪事の証拠をつかもうとする…。
『甘ったれ若旦那に喝!』/出雲(2004年7月12日放送)
黄門さま(里見浩太朗)一行は出雲に着いた。
一行は放蕩三昧で遊び暮らす料亭の若旦那、圭太郎(川崎麻世)と知り合った。
圭太郎の母、お登世(水野久美)は息子を甘やかせて育てたことを悔やみ、今は厳しく仕事を仕込んでいるが圭太郎の遊び癖は直らない。圭太郎の幼馴染みのお園(伊藤つかさ)は圭太郎の言動にハラハラしながら、圭太郎とお登世の板挟みになり、気苦労が絶えない。
その頃、出雲大社の門前町ではならず者の羆の藤造(山本昌平)一味が強引な地上げを行い、人々は無理矢理立ち退きを迫られていた。
藤造の後には再開発で利権を独占しようと企てる鳴海屋(二瓶鮫一)と次席家老の宇佐野勘解由(近藤洋介)が控え、糸を引いていた。
お登世は乱暴な地上げに対抗するするために町の衆に力を合わせるよう訴えていたが、暴力に屈した人々が一人欠け二人欠けし、町の結束は崩壊寸前だった。
ところで城代の日下茲靖(庄司永建)に悪事がばれることを危惧した宇佐野は、鳴海屋に地上げを急ぐよう指示する。そこで鳴海屋が目を付けたのが圭太郎だ。
鳴海屋は藤造に指示して、圭太郎が酔って正体を無くしたすきに圭太郎が立ち退きを承知したような書類を偽造し、お登世に店を明け渡すよう迫る。
人々は地上げ反対の中心的存在だったお登世が裏切ったように思い込み、人々の心はばらばらになってしまう。黄門さまは圭太郎の不始末のせいで窮地に立たされたお登世の気持ちを圭太郎に伝える。
人々を救うためにお登世に残された方法は城代への直訴しかない。お登世の必死の思いを知った圭太郎は自分の甘えきった根性に気付く…。
『命を賭けたお調子者』/米子(2004年7月26日放送)
黄門さま(里見浩太朗)一行は米子へ向っていた。
一行は道中、罪人が籠に入れられて役人に護送される現場に出くわした。
と、そこへ屈強な男たちが現れ喧嘩を始め大騒ぎになった。突然のことに黄門さまが驚いていると、騒ぎに乗じて若い男が籠に近付き、罪人を逃がそうとする。
だが、男は役人に見つかり罪人を逃がすことなく逃げ出してしまった。
ところで、黄門さまとは別行動の千太(三波豊和)が道ばたで休んでいると、その男が逃げてきた。千太はそれが自分の弟分、捨松(西山浩司)だと知って驚いた。
捨松が逃がそうとしたのは鳥取藩士の高岡平八郎(平井真軌)で、高岡は上司の津島監物(常泉忠道)が行なっている悪事を暴こうとしたのだが、逆に罪人にされ米子に送られるところだった。さきほどの騒ぎは捨松が恩義のある高岡を助けるために仕組んだことだ。
捨松は高岡の妻、綾乃(麻乃佳世)と共になおも役人たちのすきをうかがっている。千太は捨松に泣きつかれ、一緒に高岡を救い出す手伝いをすることになった。
千太と捨松は役人たちが泊まる宿舎に忍び込むが、あと一歩のところで失敗。助さん(原田龍二)、格さん(合田雅吏)とお娟(由美かおる)に助けられた。捨松の必死の思いを知った黄門さまも高岡の救出を手伝うことになるが…。
『暗雲晴らした鳥取城』/鳥取(2004年8月2日放送)
黄門さま(里見浩太朗)一行は鳥取へ。今回の世直し旅の目的地に到着し、一行は身を引き締める。
諸国大名が金を借りている豪商・西海屋甚左衛門(中山仁)が鳥取を基点にして外国と密貿易をしているという噂があった。海岸で人々が外国船を目撃したという話も伝わっており、老公は将軍様から事の真相を突き止めるよう密命を帯びていた。
鳥取に入った一行を早速、西海屋が仕向けた刺客が襲う。間一髪難を免れたところへ、鳥取藩用人・関田作左衛門(樋浦勉)率いる藩士たちが現る。関田は藩主の命で一行を出迎えに来たと話し、刺客を防ぎきれなかった不手際をわびる。
黄門さまは関田の案内で藩主、池田綱清(江藤潤)に会った。綱清と家老の水川庄太夫(石田登星)は、鳥取藩は西海屋との取り引きはなく、密貿易のことは根も葉もない噂だと否定する。だが、そう語る綱清の精気のない表情が黄門さまは気になるのだった。
黄門さまは、城を離れて別邸で体を休めていた綱清の娘、鈴姫(辻えりか)を助三郎(原田龍二)に命じて誘い出し、綱清の近況を聞く。鈴姫も黄門さまが感じたように、父の様子がおかしいと気付いていた。
黄門さまは鳥取を離れる前に、綱清に別れの挨拶をしたいと言って、綱清を呼び出した。鈴姫はその様子を秘かに盗み見て、目の前にいる父が偽物であると見破った。
黄門さま一行は西海屋と水川によって捕らわれていた、本物の綱清を救出に向う。刺客が一行を襲い、鬼若も敵の銃弾に襲われた。
その頃、千太(三波豊和)は、よろず屋の弟子入りをしたいという女博打打ち・松太郎(豊川栄順)と出会い、仕事のいろはを教えていたが、松太郎がふと漏らした言葉から、意外な人物が西海屋とつながっており、悪事の黒幕だったことを知る。その知らせを聞いたお娟(由美かおる)は黄門さまの元へ走るが…。