あらすじ:
『紅花咲かせた豪傑女医』/山形(2003年10月27日放送)
黄門さま(里見浩太朗)一行は山形へ。助三郎(原田龍二)が突然腹痛を起こし、一行は近くの医師、お杏(おきょう・赤木春恵)を訪ねる。お杏は「手遅れ」というのが口癖。助三郎も体がなまっていると診断された。黄門さまは、お杏は口は悪いが腕はいいと感心する。
山形の紅花に興味がある黄門さまは、井筒屋清兵衛(長谷川哲夫)の娘、およう(田京恵)の案内で仕事場を見学する。おようは市之助(石橋保)と協力して紅花の染め物を開発し、新しい産業にしたいと考えていた。
市之助はお杏の息子で、医学を学ぶため京都へ行っていたのだが、染色に興味を持ち染め物の職人になって帰ってきていた。お杏は市之助がおように思いを寄せていながら、そのことを伝えられないでいることをもどかしく思っていた。
ところで勘定方の組頭、島野吉蔵(伊藤高)は、おようを自分の後添えに欲しいと強引に井筒屋に申し込んでいた。おようたちが取り組んでいる染め物の、成否の鍵を握るのは島野だ。
おようはしつこい島野を退けるため、市之助と夫婦になる約束があると告げる。突然のことに市之助も驚くが、黄門様は二人が相思相愛だと見抜いた。
逆恨みをした島野は、お杏がかつて馬医者だったことを持ち出して因縁をつけ、市之助を街から追放しようとする。思うようにならなければお杏を殺すと脅す。
黄門様は藩主の松平忠雅(片山右京)に島野の悪行をつたえるが…。
『奉公先は子だくさん』/仙台(2003年11月3日放送)
黄門様(里見浩太朗)一行は仙台へ。一行が道中知り合った元気のいい娘、良江(島崎和歌子)は働き口を探していた。ちょうど侍の太田鉄之介(寺泉憲)が女中を必要としており、良江は太田家で働くことになった。
太田家は長女の市(柊瑠美)を頭に五人の子だくさんで、子どもたちの母親は数年前に亡くなっていた。市が家事を取り仕切っており、良江が家に入ることを快く思っていない。子どもたちは市の指示で悪戯を仕掛けるが、良江は苦にならない様子だ。
ところで鉄之介は自分の上司、原頼母(山西道広)とその手下が、盗賊を取り押さえて押収した品物を横流して私服を肥やしていることに気付き、証拠をつかもうとしていた。だがそのことを原に感付かれ、鉄之介は命を狙われる。
良江は偶然原たちが悪事を企てていることを知り、黄門様に相談する。
鉄之介はついに奉行の万代右京亮(有川博)に直接原たちの悪事を訴える。だが実は万代こそが悪事の黒幕だった。万代は鉄之介、そして子どもたちの命をも奪おうとする…。
『赤ん坊背負った仇討ち』/白石(2003年11月10日放送)
黄門様(里見浩太朗)一行は白石へ。
アキ(斉藤晶)が小さなほこらに置かれた赤ん坊を見つけた。乳を欲しがって泣く赤ん坊に困っていると、噂を聞いたと言って武家の女、萩(若林志穂)が乳を与えるために訪ねてきた。萩は最近赤ん坊と死に別れたという。一行は偶然の好都合を喜んだ。
さて、格之進(合田雅吏)とお娟 (由美かおる)は、慣れない赤ん坊に手を焼いていたが、旅に疲れた様子の侍、鏑木菊之進(飯田基祐)が自分が赤ん坊の父親だと名乗ってきた。
菊之進は、父親の仇、鬼頭源八郎(成瀬正孝)を、妻と子と一緒に旅をしながら探していた。だが、仇は見つからず、時間のみ無為に過ぎてゆく。菊之進は仇を打てば幸せになれるのか疑問に思い始めた。
弱気な菊之進と子どもを残して妻は里へ帰ってしまったという。
ところが、菊之進は白石でついに鬼頭を見つけた。鬼頭は赤堀源兵衛と名を変えて道場主になっており、相当のすご腕だ。
さらに鬼頭には次席家老の黒田五左衛門(原口剛)という後ろ盾があった。
菊之進はそれでも鬼頭に挑む決心を固め、赤ん坊を親切な人に託して置き去りにしたのだった。
さて、老公は萩が、実は菊之進の妻の百合だと見抜いた。百合も菊之進が敗れれば家族の幸せが崩れてしまうと恐れていたのである。
老公は家族を守りながら鬼頭を懲らしめる術を考える…。
『浪花娘の母恋一直線』/二本松(2003年11月17日放送)
黄門様(里見浩太朗)一行は二本松へ。一行は旅の女、おはな(山田花子)と知り合った。おはなは幼い頃別れた母を探して大坂から出てきたというが、何も手がかりが無く途方に暮れていた。しかも若い女の一人旅では何かと都合が悪い。格之進(合田雅吏)が夫に成り済まし母探しを手伝うことになった。
おはなと格之進は紙問屋「松川屋」の女将、おとせ(芦川よしみ)を訪ねるが、人違いだった。おとせの好意で「松川屋」に宿泊することになったおはなと格之進は、おとせが娘のお菊(上良早紀)のわがままに困り果てていることを知る。
お菊は実の母ではないおとせに反発し、悪い仲間と遊び歩いている。その上、突然江戸で暮らすと言い出し大金をせびる。
一方おとせは、次席家老の荒木田監物(内藤勝正)から理不尽な紙の値上げを言い渡され、悩みの種が増えた。
老公は、それは紙問屋の大槻屋(中村方隆)と荒木田が私腹を肥やすために仕組んだ悪巧みだと見抜いた。
おとせが困っていることを知ったおはなは、悪事の証拠をつかもうと無茶をして役人に捕らえられてしまう…。
『おいらの馬は日本一』/三春(2003年11月24日放送)
黄門様(里見浩太朗)一行は三春へ。一行は道中馬の世話をする少年、太吉(森田直幸)と出会った。黄門様は太吉の馬、テツが名馬だと感心する。
太吉は姉のおはる(市川亜沙美)と二人暮し。おはるは太吉の将来のために、学問をさせたいと考えている。
三春では近々馬市が開かれることになっており、おはると太吉はテツが高く売れるよう期待している。馬の仲買人の善七(江藤潤)から、特に優れた馬は藩に高価で買い上げられることもあると聞き、二人の期待は高まる。
一行と別行動の鬼若(照英)とアキ(斉藤晶)は、盗賊の甚五郎(新海丈夫)一味が三春に入ったことを知って警戒を強める。
さて、馬奉行の稲垣蔵人(小沢象)はテツが名馬だと知って、仲買人の源兵衛(三夏紳)と結託して太吉から取り上げようと算段する。源兵衛は甚吾郎たち盗賊の仲間だ。
稲垣はテツは性格が荒いので藩では買い取れないと決めつけておいて、源兵衛がわずかな金でテツを買い取ると持ちかける。
老公はこれは悪巧だと見抜いた。
一方、ある大名のために馬を探しているという田代庄五郎(荻島眞一)という侍が現れ、テツを大金で買い上げたいと言い出した。
それを知った稲垣は、テツが盗まれた馬だと言い掛かりをつけ、太吉から強引に取り上げようとするが…。