あらすじ:
『百万石への旅立ち』/江戸(2003年7月28日放送)
江戸の水戸藩上屋敷では光圀(里見浩太朗)の孫、菊千代の成長を祝う儀式が行われた。久しぶりに江戸へ出た助三郎(原田龍二)と格之進(合田雅吏)は祭りで賑わう湯島天神へ来た。
そこで二人は黒覆面の男たちに襲われていた松姫(佐藤江梨子)を救った。松姫は尾張大納言の娘で、将軍様の養女となっていた。姫には加賀藩の若殿との縁談が進んでいた。
お娟が覆面の男たちを追うと、一行は加賀藩の下屋敷へ逃げ込んだ。格之進は男たちの一人、沢田清五郎(平井真軌)の跡をつけ、沢田には多額の借金があったが近く仕官して大金が入ると、妹の奈津(小西美帆)に語っていたことを知った。
ところで八重(岩崎加根子)は呉服屋に嫁いでいる娘、加代(佐藤友紀)を鬼若(照英)、アキ(斉藤晶)と共に訪ねる。加代は、加賀友禅がなぜか急に手に入らなくなったとなげき、品物を求めて加賀へと旅立った。
一方光圀は将軍綱吉(堤大二郎)にせがまれて、花街へお忍びにでかける。光圀と綱吉は美しい高尾太夫(立原麻衣)に目を細める。そこで光圀は加賀藩の勘定方、大橋典膳(亀石征一郎)が羽振りよく遊んでいることを知る。
再び、松姫が浪人たちに教われ、誘拐される。男たちは大橋の手配で松姫を亡き者にしようと企んでいたのだ。
助、格、鬼若、お娟の活躍で姫は無事救出され、大橋の悪事が暴かれるが、光圀は加賀藩に重大なお家騒動が起こっていることを知った。光圀は、水戸から迎えに来ていた山野辺兵庫(丹波哲郎)に気付かれないように屋敷を抜け出し、加賀藩を目指す…。
『妹想いの風来坊』/安中(2003年8月4日放送)
光圀(里見浩太朗)一行は安中へ。別行動の助三郎(原田龍二)は、道中辰次郎(薬師寺保栄)という威勢のいい若者と知り合い、一緒に一行の待つ宿「上州屋」へ着いた。ところが辰次郎の様子がおかしい。その宿は辰次郎の実家だったのである。
辰次郎は、一年前喧嘩をして相手にケガをさせ、町を追放されていた。
喧嘩の相手は「夢見屋」の息子、三太郎(石井英明)で、三太郎は辰次郎の妹、おちか(遠野凪子)に嫁になれとしつこく言い寄っていた。辰次郎は、おちかと父親の平作(曽我廼屋文童)が困っていると噂を聞いて帰って来たのだが、小言の多い平作の前ではどうも素直になれない。
ところで三太郎とその父親、源三(二瓶鮫一)はおちかと「上州屋」も手に入れて商売を大きくしたいと企んでいた。源三は代官の平山九郎兵衛(立川三景)に賄賂を送り、そのための助勢を頼んでいた。
平山は平作が金貸しに借りた金の証文に細工をして、平作が源三に対して負債があるように偽造した。平山は偽の証文をちらつかせ、平作に店を明け渡すよう迫る。
辰次郎は、証文を取り返そうとして夢見屋に乗り込むが失敗。牢に捕らえられてしまう。光圀は証文が偽物であることを見抜き、その証拠をつかもうとする…。
『おらが蕎麦は日本一』/小諸(2003年8月11日放送)
光圀(里見浩太朗)一行は、天下一と名高いそばを味わうために小諸へ立ち寄ることに。早速、殿様推奨という「満月楼」に入るが、値段の高さと味のひどさに驚いてしまう。だが、その近くにある六助(高岡進治)、おその(三浦リカ)夫婦が営む店に、うまいそばを発見し、舌鼓を打った。
なぜ殿様が満月楼を推奨しているのかふしぎに思う光圀だったが、側用人の塚原軍太夫(草薙良一)が、年の若い殿様に代わって藩の実権を握っているからだと分った。塚原と満月楼は裏の金でつながっている。光圀は本当のそばの味を知らない殿様を気の毒に思い、六助のそばを食べさせてやりたいと思った。
翌日、光圀たちが再び六助のそばを味わっていると、足軽、七兵衛(沼田爆)の息子、七之助(三浦春馬)が六助に弟子入りしたいと言って飛び込んで来た。そば好きの七之助は町中そばを食べ尽くしたが、六助のそばが一番うまかったと目を輝かせる。
侍の子に弟子入りは無理だと言い、追い返そうとする六助だったが、光圀は七之助の熱心さに打たれる。光圀は、七之助が殿様に六助の作るそばを食べさせることを条件に弟子入りをかなえてやったらどうかと提案する。
江戸へ旅立つ殿様が、その前に満月楼に立ち寄ることになった。光圀はこの機会に殿様にうまいそばを食べさせようと考える…。
『響け!汗と涙の御諏訪太鼓』/諏訪(2003年8月18日放送)
光圀(里見浩太朗)一行は諏訪へ。光圀は、村の人々が役人の前川伊織(田中健)の指導で懸命に新田の開墾を行っていることを知り、うれしく思った。
村の人々は、仕事が終わってから一緒に諏訪太鼓を叩き、仕事の励みにしていた。前川は太鼓の指導にも当たり、人々は腕を上げていた。
近く殿様の前で披露する、太鼓の腕比べがあることが決まっており、巳之吉(林泰文)ほか村人の練習も熱を帯びてきた。光圀は稽古の様子を微笑ましくながめていた。
ところが、郡奉行の望月作左衛門(青山良彦)とその配下の成瀬千右衛門(坂田雅彦)は、前川に太鼓の大会を欠場するよう言い含める。
望月の息子、武之助(羽柴誠)も近所の村で開墾を行っており、前川たちの仕事と比較されることを嫌ったのである。理不尽な命令に人々は納得いかない。前川が断ると、望月はあの手この手で妨害を繰り返す。
光圀は、望月には太鼓の一件以外にも、何か後ろめたいことがあるのではないかと気付く。お娟(由美かおる)が調べたところ、望月が年貢米を横流ししていたことが分かる。
そして太鼓を披露する日。巳之吉たちは懸命に演奏する。その裏で望月は前川を陥れようと悪事を企てていた…。
『記憶を消した若き妻』/木曽(2003年8月25日放送)
木曽山中を妻籠へ向っていた黄門さま(里見浩太朗)一行は、尾張藩の山林方の役人・山田新兵衛(秋野太作)が山の木をねらった盗賊に襲われてけがをしているところに出会い、新兵衛を助け、家まで送った。
一行は新兵衛の妻、蛍(嘉門洋子)が若くて美しいことに驚いた。
新兵衛によると蛍は、五年前に山中で気を失っているところを新兵衛に助けられた。その時蛍は記憶を失っていたという。
行く宛てもなく一緒に暮らすようになった蛍と新兵衛は、娘・おはな(及川亜里紗)にも恵まれ、幸せそうに暮らしていた。が、お娟(由美かおる)は、蛍の気配から彼女が忍びであると見抜いた。
蛍の記憶はいつしか戻っていたが、家族との平和な暮らしを失うことを恐れ、蛍は新兵衛には忍びであることを隠していたのだ。
新兵衛は木曽代官、岩城左馬之助(田中隆三)の配下で、藩の森林を管理している。しかし、ここ数年大切な木々が盗賊団の被害を受けていた。
新兵衛と助三郎(原田龍二)、格之進(合田雅吏)は山に入り、盗賊の隠れ家と岩城がその元締めだということを突き止める。
だが新兵衛は一味に捕まってしまった。
そのことを知った蛍は、新兵衛を助けるため一人で代官所へ向かう…。