あらすじ:
『黄門様と七化けのお京』/広島(2003年3月17日放送)
光圀(里見浩太朗)一行は広島へ。一行は愛想がよく元気な女将、お京(森光子)が切り盛りをする旅籠、「梅屋」に宿泊する。光圀はお京を見て、どこかで見た顔だと感じるが思い出せない。お京も同じように感じ、光圀を見つめる。
その頃、広島城の蔵に盗賊が入り、大金を盗まれる事件が起きていた。勘定方組頭、冬木順之助(倉田てつを)ほかが懸命な捜査を続けていた。
一方、光圀はお京がかつて、七化(ななば)けのお京と呼ばれた大盗人だったことを思い出した。お京は大名屋敷などから盗んだ金を貧しい人々に分け与える義賊として知られていた。二十年ほど前、お京は広島藩の江戸屋敷に入り、捕らえられたが、命は助けられたはずだった。
順之助は最近大きな商売を始め、不審な点も多い、西海屋与兵衛(和崎俊哉)が怪しいとにらみ、近付くが手がかりがつかめない。順之助から、近く殿様が江戸から帰ることになっており、それまでに金が見つからないと、自分は切腹させられることになると聞かされ、光圀は驚いた。お京も顔色を変える。
お娟(由美かおる)の調べで、やはり西海屋の蔵に金があることが分かった。光圀は自分が盗人の頭であると偽ってお京を安心させ、一緒に金を取り戻そうとさそう。一行とお京は、闇にまぎれて、西海屋の蔵を目指すのだが…
寅之助が通う料理茶屋の染香(立原麻衣)は、寅之助がいつか立ち直ると信じている。だが、御納戸奉行の秋山主膳(杜澤たいぶん)が染香にほれ、力づくでも自分のものにしたいと狙っていた。秋山は、殿様の池田綱政(西園寺章雄)から、守り刀の目利きを任されていた。
さて、正之助と寅之助の刀が出来上がり、時定は正之助の方が上だと判定する。落胆した菊乃は、秋山が欲しがっていた時定の刀を秋山に差し出し、寅之助を勝たせてくれるようすがる。菊乃には、承知したと返事をする秋山だったが、実は刀屋の赤座屋吉左衛門(山本弘)が勧める刀を守り刀にする裏取り引きが決まっていた。
そして城内。秋山は、兄弟の刀はいずれも若様に相応しくないと否定する。時定は納得できないと意義を唱えるのだった…。
2時間スペシャル/下関(2003年3月24日放送)
光圀(里見浩太朗)一行は下関へ。水戸藩では山野辺兵庫(丹波哲郎)が光圀の帰りを首を長くして待っていたが、黒田家福岡藩に不審な動きのあることを知った光圀は、さらに九州へと足を延ばす。光圀は福岡と柳沢吉保(橋爪淳)の闇のつながりを懸念している。
一行は、小夜(小田茜)と米三(佐川満男)主従が、ならず者に絡まれている所へ出くわした。助三郎(岸本祐二)と格之進(山田純大)が二人を助けようとすると、音次郎(氷川きよし)という若い渡世人が飛び出した。だが音次郎は見かけほどは腕が立たず、助さん、格さんがならず者を蹴散らした。
一行は小夜と米三、そして音次郎と共に小倉に着いた。小夜は父親、儀兵衛(藤堂新二)を探しているという。儀兵衛は博多で一旗揚げると言い残して江戸を出たまま音沙汰がない。
さて道中、一行を次々と侍や忍びが襲う。助、格、お娟(由美かおる)が必死にしのぐ。刺客の中で、鳴神の夜叉王丸(山口馬木也)は鬼若(照英)と互角に戦う、すご腕の忍者だ。
やがて一行は、博多で採れた銅が清国との密貿易に使われていることを突き止める。博多にいる国家老・朝倉弾正(栗塚旭)が柳沢と手を結んでいたのだ。その悪事に儀兵衛も関わっていたらしい。
一行は土地の鉱山師、五兵衛(江藤潤)の協力も得えなが、密貿易の秘密に迫る。音次郎が幕府の老中、阿部正武(有川博)の密命を受けて銅山の動きを探っていたことも分かる。
そして清との取り引きの日が迫る。一行は清からの使者を装って、敵の中へと潜入するが…。