奇跡のドラマスペシャル　ミラクルボイス

撮影の準備も整い、さっそくモモコが秀則に別れを切り出すシーンの撮影が始まります。

「キスしたぐらいで彼氏面するのはやめて下さい。子供じゃないんだから、わかるでしょ？」
「ど、どうしたんですか？」
「別にどうもしないですよ。私はこういう女なんで。たまにいるんですよね、すぐ勘違いしちゃう男が」
「冗談はやめて下さい、僕は本気で言ってるんですよ！」
「私だって本気です！」
戸惑う秀則を前にして、決意の固い表情のモモコ。そこには、切ないほどに自分の本当の気持ちを押し殺したモモコが…… いいえ、もしかしたらこの大親友を想う気持ちこそが、モモコの本当の気持ちなのかもしれません。 シインヌの実でもなければ、本当のモモコの気持ちは、我々には判らないのかもしれませんけれど…。
「さよなら」の言葉を遺し、秀則のもとから去っていくモモコ。精一杯の笑顔を秀則に向けた後、くるりと背を向けたモモコの顔は、笑顔から徐々に辛そうな表情になり…。

片瀬那奈さんの一連のお芝居は、見ているこちらもグッと来てしまうようなお芝居。 スタッフも見つめているモニターへ飛び込まんばかりに、モモコに感情移入している様子。「OK! チェックします」の声が掛かるとようやくハッと我に返り、 詰めていたため息をホーっと吐いたりして。うーん。せ、切ないねぇ…。