4月11日(木)開幕

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マスターズの軌跡

トリビア

パトロンとは

オーガスタでは観客のことを“パトロン”(支援者・後援者)と呼ぶ。
大会スタート当初、大会の資金を提供したオーガスタのメンバーを“パトロン”と呼んだ。
現在は資金提供の代わりに入場料やグッズ売り上げから賞金額が決められている。
そのため入場客をギャラリーではなく、パトロンとよんでいる。

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賞金総額

賞金総額は大会前に決まっておらず、最終日の前日に発表される。
2022年の賞金総額は1500万ドル(約19億8900万円)、優勝賞金は270万ドル(約3億5800万円)。
ちなみに、1934年第1回大会の優勝賞金は1500ドルだった。

優勝者に送られるグリーンジャケット

1937年オーガスタナショナルGCのメンバーが着用するようになった。
マスターズ優勝者に贈られるようになったのは1947年大会からでその年の優勝者はサム・スニード。
複数回優勝した選手が表彰式で着させてもらうジャケットは選手自身のジャケットで、新たにジャケットをもらうことはない。
ちなみに、グリーンジャケットはコースの外に持ち出すことは出来ない。
但し、優勝した選手のみ翌年のマスターズまで1年間持ち出すことができる。
優勝者にはグリーンジャケット以外に、クラブハウスをかたどったトロフィーと金のメダルが送られる。

アーメンコーナー

11番、12番、13番ホールを指す。
ドラマティックに大きくスコアが動くことが多い。
1958年にスポーツ雑誌の記者だったハーバート・ウォーレン・ウィンドがジャズの曲のタイトルから命名した。
それ以降オーガスタの難しさを象徴する言葉として使われている。

オーガスタナショナルGCの全長

1934年の第1回大会は6985ヤードで争われた。
その後、2002年大会の前に大改造をし、285ヤード伸びた。
その後も徐々に延長され、2019年さらに40ヤード伸び、現在は7545ヤードとなった。
当初から560ヤード延びている。

始球式をつとめる往年の名手たち

大会初日の第1組スタート前に、1番ティで始球式が行われている。
これまでこの名誉あるスターターを務めた選手はわずか9人。
2018年のオナラリースタートはジャック・ニクラウスとゲーリー・プレイヤーの2人が行なった。

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パー3コンテスト

オーガスタナショナルGC内のパー3コースを使用し、大会週の水曜日に開催。
1975年と1981年に青木功、1988年に中嶋常幸が優勝している。
ちなみにパー3コンテストの優勝者はその年の本戦で優勝できないというジンクスがあり、現在でもジンクスが破られていない。

アイゼンハワーとオーガスタ

ゴルフ好きで知られた故アイゼンハワー第34代アメリカ大統領にちなんだ場所はコースには点在する。
パー3コースが囲む池は、彼のために作られた釣り堀で「アイクスポイント」、10番ティーに近い一軒家は「アイゼンハワー・キャビン」と呼ばれる。

天井知らず!伸び続ける優勝賞金

マスターズでは他の大会と違って、賞金総額や優勝賞金を前もって発表することはない。
その年の入場者数やグッズの売り上げなどによって変わってくるためで、発表されるのは最終日を迎える前である。
昨年の優勝賞金は324万ドル(約4億2800万円)とここ10年で2倍。
ちなみに2023年優勝のラームは通算276打だったので、1打当たり約155万円となった。

クラブハウスは南部初のコンクリート製

優勝者に贈られるトロフィーはオーガスタのクラブハウスをかたどったものだが、このハウスは同クラブが新しく建てたものではなく、クラブ創設の80年近く前の1854年に地元の農園主が建てたもの。
南部で初のコンクリート造りとされ、その後補修改装を重ねながらマスターたちを迎え入れてきた。
屋根の上に飛び出ているのは展望窓だが、風景を展望するためのものではなく、奴隷たちを監視する見張台だった。

メディアの先走りから定着した「マスターズ」

マスターズの名付け親は、クラブの創設者であるボビー・ジョーンズではない。
1934年、トーナメントを開催するに当たり、ジョーンズの右腕として長く同クラブの会長を務めたクリフォード・ロバーツが「マスターズ」という名称を提案すると「おこがましい」と反対。
ところがメディアは勝手に「マスターズ」と呼びはじめ、それが一般に広まってしまった。
これでジョーンズもやむなく同意。39年から正式に「マスターズ」と呼ばれるようになった。

表彰式のグリーンジャケットは仮のもの

グリーンジャケットは、もともとはクラブのメンバーのユニフォームのようなものだった。
これを着ていればギャラリーのなかでも一目でわかる。
勝者に贈られるようになったのは1949年大会(サム・スニードが優勝)から。
なお表彰式で着ているのはサンプルで、後日体型に合わせたジャストフィットのものが贈られる。

1年間は持ち出しOK

松山英樹が優勝した際には、帰途の空港でグリーンジャケットを大事そうに抱えている姿が有名になったが、コース外に持ち出せるのは1年間だけ。
翌年の大会前には返還しなければならず、その後はチャンピオンズロッカーに保管され、チャンピオンズディナーなどコ ースを訪れたときのみ着ることが許される。

コースに彩りを添える花々

オーガスタは雰囲気も風景もすべてが美しく、コースに咲く花々もその大きな要素だ。
1番のティーオリーブ(ギンモクセイ)にはじまり18番のホーリー(セイヨウヒイラギ)まで、各ホールに異なった花や木が植えられ、コースを彩っている。
各ホールの愛称にもなり、とりわけマスターズの季節には13番のアザレア(ツツジ)が美しい。
また、ハウス前庭には花で米国をかたどった花壇がある。

“美しさ”を支える数多くの委員会

初めて出場した選手たちが口を揃えていうのは「スムーズで美しい大会運営」だ。
そのベースにあるのが驚くほどの数の委員会で、「ルール委員会」や「トーナメント改善委員会」に始まり「大会本部委員会」まで実に20いくつもの委員会がある。
特異なのは「場内管理とゴミ処理委員会」で、このスタッフたちのおかげで、プレーヤーにとってもギャラリーにとっても常に気持ちよく美しい環境が保たれている。

マスターズの歴史はコース改造の歴史

守るべきものは頑なに守る一方、時代に即応して変えるべきものは速やかに変えていく。
これこそがオーガスタ流で、いい例がコースの改造でこれまで多かれ少なかれ毎年のように改造が施されてきた。
特に2023年は13番(パー5)が大改造され、距離が35ヤードも伸ばされた。
“飛びすぎ”といわれる時代にあっても、最高の選手たちが最高の技で競える舞台を用意するという姿勢が貫かれている。

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