インタビュー
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(6)星野 源さん/四宮春樹
Q. 2年ぶりの再会
前作から“和気あいあいとした現場”という印象でしたが、さらにそれが深まったというか、2年を経て、さらに仲良くなって、よりリラックスした状態で現場が廻っています。けれど、シリアスな場面も多い作品なので、作品のことを集中して考える緊張感もあります。それ以外の休憩中やスタンバイ中は自然と楽しく和気あいあいとしていますね。居心地がよい現場なので、毎回行くのが楽しみです。
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Q. 新キャストについて
赤西吾郎を演じている宮沢氷魚くん、彼自身がすごく可愛らしく、イノセントで曇りがない人なので、接していて自然とほがらかな気持ちになります。役の上でですが、僕が彼を怒ってばかりなので、(カメラが回ってないところでは)四宮先生を引きずって話すのではなく、素の自分で話すように心がけました。でも、彼の人間味がわかればわかるほど、四宮先生として怒るのもちょっとずつハードルが高くなって来ちゃうんですよね(苦笑)。吾郎先生が最初に失敗するところも、彼は悪い人じゃない、と思わせてしまう“人間の良さ”が、氷魚くんが演じることによって出ているように感じました。台本を読んだ時よりも吾郎という役に深みが増していると思います。
次回の9話では、サクラと四宮と研修医時代の倉崎という10年前のシーンが登場します。四宮がまだつぼみちゃんと出会っていない頃です。その頃の倉崎先生はかなり違うのでまずは驚くと思いますが(笑)、四宮も違うはずなんですよね。厳しくなる前の、優しすぎるお医者さんだった頃なので、演じるのがすごく楽しみです。
もう1人の新キャストの松本若菜さん演じる倉崎恵美は、四宮先生とは旧知の仲という設定なので、はじめてご一緒したカフェシーンで、結構お話をさせていただきました。質問攻めですね(笑)。松本さんは、ユーモアがあり、壁のない、自分を偽ってカッコよく見せようとはしない人だと思います。演じられている役は、はっきりした性格だけど、いろんなことに悩んでいる女性なので「普段はあんなにおちゃらけていたのに…」と、ご自身とのギャップがあって、一緒に演じていておもしろいです。
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Q. 四宮春樹という役を演じて
今作の1話の台本を初めて読んだとき、「四宮がすごく成長した」という印象がありました。前作は、トラウマや悩みを抱えていて、自分の心が壊れてしまわないように、正論という武器を振りかざして周りに冷たくあたったり、嫌な態度をとっていました。その根本には赤ちゃんや妊婦さんを守りたい、産科医としての仕事を全うしたいという気持ちもありましたが、そのさらに根本には、自分を守りたいという理由があったのだと思います。つぼみちゃんとの出来事が、前作の最後でひとつの区切りを迎え、さらにそこから2年経っている今作では、四宮のポジションがすごく変わった気がします。自分自身を守るのではなくて、産科やその他のチーム全員体を守るために動くようになった。妊婦さんと赤ちゃんを最優先するところは変わらずですが、さらに強く、けれど余計な厳しさがなくなって、芯が強くなったという印象です。もともとはすごく優しい人なので、その部分も復活しているように感じました。産科医の方々にもお話を聞きましたが、母子ともに亡くなってしまうことは、産科医にとって果てしなく辛いことだそうです。四宮も、完全にトラウマが解消したのではなく、それに飲み込まれない「強さ」を手に入れたんだなと思いました。自分自身と向き合って、相当頑張ったんだと思います。その感覚は、実際に演じながらもすごく実感しています。
今回の『コウノドリ』は、サクラを中心とした、白川も下屋も倉崎も吾郎ちゃんも今橋先生もいる、全員のチームプレイなんだなと感じます。
しかし、回が進むごとに、下屋が抜けて、白川も出て行ってしまう。
ペルソナの仲間たちがどうなっていくのか、それも今回の『コウノドリ』の見どころの一つだと思います。
しかし、回が進むごとに、下屋が抜けて、白川も出て行ってしまう。
ペルソナの仲間たちがどうなっていくのか、それも今回の『コウノドリ』の見どころの一つだと思います。
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Q. 今作ではそれぞれの個人的な部分も描かれていくと思いますが、8話では四宮先生のお父様が登場されました、演じられた塩見三省さんとお芝居されて、いかがでしたか?
共演したのは初めてでした。本当に素晴らしい方で、全身全霊をもって役に挑まれていました。隣でお芝居している時間も、スタンバイで待っている時間も、ご一緒しているだけで「とても大切な時間を過ごしている」という感覚になりました。
四宮のお父さんの晃志郎が持っている、産科医に対する情熱や気迫が、塩見さんご自身が持つ役者、俳優に対する情熱や気迫にすごくリンクしているような気がします。塩見さんがお父さんで本当に光栄です。8話のシーンの撮影は、忘れられない一日になりました。
四宮のお父さんの晃志郎が持っている、産科医に対する情熱や気迫が、塩見さんご自身が持つ役者、俳優に対する情熱や気迫にすごくリンクしているような気がします。塩見さんがお父さんで本当に光栄です。8話のシーンの撮影は、忘れられない一日になりました。
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Q. 台本では「治療してくれよ」となっていたセリフが「生きろよ」と、変わっていましたね
土井監督と2人で話し合いながら変えたセリフでした。リハーサル前「もっと強く言っていいですか」と聞いたら監督から「全然言っていいよ」とおっしゃっていただけて、あのようなセリフになりました。
最初の台本上では、お父さんの言うことに納得したように書かれていたのですが、納得というより、突っかかるというか、四宮ならではの理路整然とした「生きなきゃ町の妊婦はどうなるんだ」という正論と、息子としての「死なないでくれよ父さん」という、どちらもが重なった意見をしっかり言ったほうがいいかなと思って演じました。
最初の台本上では、お父さんの言うことに納得したように書かれていたのですが、納得というより、突っかかるというか、四宮ならではの理路整然とした「生きなきゃ町の妊婦はどうなるんだ」という正論と、息子としての「死なないでくれよ父さん」という、どちらもが重なった意見をしっかり言ったほうがいいかなと思って演じました。
Q. 今後のみどころ
(綾野)剛くんも常々言っていましたが、今作は、妊婦さんが中心というのは変わらないままで、医師たちの悩みや産科医の現状、苦しい部分、葛藤の部分をしっかり描いていこうというチャレンジがありますよね。毎回の素晴らしいゲストさんも楽しみにしていただきつつ、僕たち産婦人科と新生児科、救命科がそれぞれどういう道を見つけていくのか、そこを最後まで見届けていただけたらなと思います。
あ、そうだ、あとは四宮がしっかり笑うのかどうかですね(笑)。今のところ僕もまったくわかりません。そこも是非見届けてください。
あ、そうだ、あとは四宮がしっかり笑うのかどうかですね(笑)。今のところ僕もまったくわかりません。そこも是非見届けてください。