この世界の片隅にノート

Vol.4 絵 —

『この世界の片隅に』に登場する絵を手掛けている美術スタッフをご紹介します!

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第1話で、すずが広島の江波から呉にお嫁に行った時の鉄道ルートマップ。この絵をはじめ、すずの絵を描いているのは…

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美術ディレクターの美崎さんです!
「原作のすずさんの絵がやわらかくてかわいらしい印象で、監督からもその印象を崩さないで描いて欲しいと言われました。どの絵もそうですが、多くの線で緻密に描き込むのではなく、少ない線でやわらかさを感じてもらえるよう心掛けています」とのこと。
原作を何度も読んで絵にし、土井監督と吉田監督に見てもらうという作業を繰り返すそうです。この鉄道マップはipadを使って作成し、何度も描き直してようやくOKが出ました!

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鉛筆で手描きした絵もたくさんあります。こちらは、すずがお嫁に行く前に描いた浦野家の似顔絵。
俳優さんたちの写真を参考に、その特徴を捉えながら描きました。すずは大きな目とホクロが特徴で、妹のすみと並んで書く時は、すずはおっとり、すみはキリッとした印象になるように意識しているそうです。

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自分の祝言のことを兄の要一に知らせた絵葉書。
この絵葉書シーンを撮影したのは、ドラマのクランクイン当日。「最初に描いた絵なので、すごくドキドキしながら監督に見せたことを覚えています」と美崎さん。

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隣組の皆さんはipadで描きました。表情やしぐさなど、一人ひとりの特徴をよくつかんでいますよね!

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段々畑からの眺めを写生したもの。憲兵さんから、敵に海岸線の情報を売るスパイと間違われてしまいました…。

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小さなノートに描いた周作の寝顔。このシーンに備え、松坂桃李さんが眠る芝居があった時に写真を撮らせてもらい、絵にしたそうです。

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リンに初めて出会った時に、地面に描いていたスイカやキャラメルの絵。美崎さんが描いたスイカの輪郭に、松本穂香さんがタネを加えた合作!

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第6話(8月19日放送)の現代シーンで、北條節子が描いた古民家カフェのイラスト。節子はすずに絵を教えてもらったという設定のため「すずさんのタッチを残しながら、ボールペンや色鉛筆も使って現代的な感じに仕上げました」ということです。

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子どもの頃から絵を描くのが好きだったという美崎さん。学生時代には粘土やガラスなどさまざまな素材を使った立体作品や映像美術も手掛け、それらがテレビ局での美術の仕事につながったのだそう。
「ものを形にしていく最初の工程が絵を描くこと。私は口下手ですが、絵を描くことで仕事が前に進んだり、人とのコミュニケーションが生まれたり…。絵は自分の思いを伝える大切なツール」とのこと。
ドラマ志望で入社し、2年目にして初めて担当したドラマが『この世界の片隅に』。美術スタッフとして現場でセットや装飾、小道具などの制作や準備をしながら、ドラマの重要アイテムの一つである絵を描いています。
「自分が知らない時代や世界を、仕事を通して知ることができるのが面白いですね。失敗して怒られることもありますが、皆さんがたくさん声をかけてくれるので、今すごく楽しいです!」と語ってくれました。

これからもいろいろな絵が登場しますので、どうぞご注目ください!

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