特集
アンコール遺跡
─今回は『THE 世界遺産』と、いつもはその直後に放映されている『夢の扉+』の、初めてのコラボレーション企画ですね! アンコール遺跡を紹介するに当たって、このふたつの番組がコラボレーションすることになった経緯を教えてください。


『THE 世界遺産』
有名な朝焼けの中のアンコール・ワット。
美しいシルエットを後世にまで残すため、日本人による研究プロジェクトが進んでいます。
『夢の扉+』
アンコール遺跡の建造物を3次元スキャンし、データ化する作業を行う東京大学の池内克史教授。
片山 亮ディレクター(以下、片山):『夢の扉+』では毎回、夢をめざす日本人の姿を紹介しています。今回紹介するのは、東京大学の池内克史教授。アンコール遺跡群を3次元スキャンし、3次元CGのデータとして保存する作業に取り組んでいる方です。番組では、池内教授によるアンコール遺跡の3次元CG化の作業と、そこに込められた情熱を追いました。
井上大輔ディレクター(以下、井上):池内教授の技術によって、実はアンコール遺跡で新たな発見がありました。そこで両番組のコラボレーションを通して、その成果を見てもらおうということになったのです。『THE 世界遺産』では、池内教授の情熱が世界遺産であるアンコール遺跡にどのような影響を与えたのかを知ってもらうため、アンコール遺跡の歴史を紐解きます。
─アンコール遺跡での池内教授の活動はどのようなものなのでしょうか?
片山:池内教授は、現地を訪れて遺跡の建造物や仏像を3次元スキャンし、それを元に3次元CGのデータを作成しています。他のスキャン技術と異なるのは、遺跡のような巨大なものも精密に計測して3次元CGにしてしまう点です。
─建造物をスキャンするとなると大型の機械が必要になりそうですが、実際にはどのような装置を使ってスキャンするのですか?

『夢の扉+』
上空から巨大な建造物をも正確にスキャンできるオリジナルの計測器は、思ったよりも小型の機械でした。
片山:台車で運べる程度の意外に小さな機材です。ただし巨大な建築物を計測するため、ある仕掛けを使って上空からスキャンするのです。計測したデータを補正し、カンボジアのチームが地上から計測したデータと重ね合わせることで正確で精密なCGを作成できるのです。例えば、160メートル四方もあるバイヨン寺院を計測しても、誤差は1センチ以内という驚異的な正確さです。ちょっと面白い方法で計測するのですが、詳しくは番組でご覧ください。