特集
富岡製糸場と絹産業遺産群
─今回の取材で印象に残った場所はどこでしたか?

江夏:蚕種の貯蔵施設だった荒船風穴ですね。冷気が吹き出す風穴で、内部は年間を通して1〜2度に保たれています。この風穴に大量の蚕種を保管して孵化の時期をずらし、かつては年に1度だった養蚕が通年の産業となったことで生糸の大量生産に結びつきました。現代でも蚕種は、冷蔵保存して管理されています。
―最後に番組を楽しみにしている視聴者の皆さんに見どころを教えてください。
江夏:富岡製糸場は、日本の産業革命の礎を築いた場所だと言えます。地元はもちろん、技術や器械の輸出元であるフランスでも取材して、明治時代に造られた世界で最大規模の製糸場の存在意義を浮き彫りにしました。取材する中で、富岡製糸場の存在意義やその影響力の大きさ、世界遺産に登録された理由も見えてきました。番組を通じて、そのことを皆さんにお伝えできればと思っています。
世界遺産の歩き方
富岡製糸場の見学は、30分おきにスタートする無料の解説ガイドツアーを利用するといい。ボランティアのガイドによる説明は、人によって内容やスタイルが少しずつ違うので、聞き比べてみるのも面白い。開場時間は午前9時から午後5時までで、解説ガイドツアーは原則として午前9時30分から1回目が始まり、最終は午後4時となっている。
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