特集
世界遺産 ヨーロッパの旅I・II
ライン川を北へ
Q:それは楽しみですね。見所満載の映像の中でも、尾賀さんのお勧めを教えてください。

尾賀:2番目に登場する「ライン渓谷中流上部」ですね。ここではいくつもの古城とブドウ畑が集まっている地域で、それらが織りなす美しい景色が楽しめます。65kmにおよぶ世界遺産の区域の中には橋が一つも架かっておらず、美しい景観が保たれています。その美しさから「ロマンチックライン」と呼ばれ、ライン川流域で観光客が一番多い場所です。今回取材を行った10月は、ちょうどブドウの収穫の時期で、ドイツらしい白ワイン作りの映像も番組内に登場します。
Q:なぜこの地域には古城が集まっているのでしょうか?

尾賀:この地域は川幅が狭くなっており、ここで川を通る船から通行税を徴収するために、税関としての機能をもった城が建てられたそうです。今回の放送では、数ある城の中でも、川の中州にある珍しい城をピックアップしました。この城は12世紀頃に建てられたもので、現在は修復作業が行われ、外観が美しく再現されており、内装も当時のままになっています。現在は税関として機能していませんが、人気の観光スポットとなっており、映像からは当時の城の豪華さを垣間見ることができるでしょう。
Q:ほかに見所を教えてください。

尾賀:ストラスブールの旧市街です。ここはライン川の交易における重要な拠点として栄えた商工の街です。ここでは銀細工の彫金師を紹介します。また、この街は歴史的な建造物を多く抱えており、12世紀から約250年にわたって建設された「ノートルダム大聖堂」はその代表と言えます。ノートルダム大聖堂の重厚感あふれる映像は必見です。繊細な職人芸と荘厳な大聖堂の映像をお楽しみください。
Q:では、最後に視聴者の方に一言お願いします。
尾賀:今回の特集には、ヨーロッパの歴史に関する世界遺産が多数登場します。とはいえ、新年最初の放送なので、難しい歴史の勉強をするというよりは、世界遺産や綺麗な風景の映像を見て、ヨーロッパの名所を旅行している気分で味わっていただきたいと思います。
世界遺産の歩き方II
【世界遺産の歩き方II】
ライン川の旅のスタート地点となる「ボーデン湖」は、ヨーロッパを旅慣れた日本人旅行者でもあまり足を運ばない穴場のリゾート地だ。ドイツで最も温暖なこの地では、新鮮な野菜と豊富な魚介類、多彩な地ワインが楽しめる。また、ヨットやサイクリングコース、ゴルフ場、温泉施設などの娯楽も充実。近接する「コンスタンツ」の街では日本食レストランがある。