放送アーカイブ

2018年7月8日放送
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

密かに続けた信仰

キリスト教禁教の中で行われた激しい弾圧から、信仰を隠すことを余儀なくされた潜伏キリシタン。仏教の観音像をマリア像に見立てて祈ることでカモフラージュし、人目に付きにくい離島へ移住することで密かに信仰を続け、代々受け継いでいきました。

かくれキリシタン

禁教期の信仰の形を今も続けている人々を「かくれキリシタン」と呼びます。平戸市の無人島、聖地・中江ノ島で、数年に一度行われるかくれキリシタンの儀式「お水取り」と、水を聖水にする「魂入れ」を撮影しました。

信徒発見

禁教が解かれた後カトリックに復帰した人々は、信仰の自由を謳歌するように、集落に自分たちの手で次々と教会を建てました。五島列島を中心とした長崎県の離島や、熊本県天草には、素朴で温かみのある教会が今に残ります。

2018年、新しく登録された日本の世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、17〜19世紀にかけてキリスト教が禁じられた間、密かに信仰を続けていた潜伏キリシタンが育んだ独特の「宗教的伝統の証拠」となる資産です。彼らが崇拝した聖地や暮らした集落跡、禁教が解けた後に建てられたカトリック教会、そして当時の信仰を続ける「かくれキリシタン」の儀式を通して、潜伏キリシタンが生きた痕跡を追います。