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2013年6月23日放送
富士山−信仰の対象と芸術の源泉I

江戸を闇につつんだ大噴火

江戸時代に起きた宝永の大噴火。
16日間に及ぶ噴火で江戸の町も噴煙が空を覆い、昼間でも灯りが必要なほどだったといいます。
中腹にあいた大きな火口には今もその噴火の激しさが伝わる溶岩の造形が残されていました。

樹海の地下トンネル

流れ出た溶岩の上にできた森林、「樹海」。
その地下には洞窟が隠されていました。溶岩が木々を飲み込んだ際、中で幹が燃え尽き、空洞状に残った溶岩の固まりです。
総延長68メートルもある神秘の溶岩トンネルをめぐります。

噴火口をめぐる!雲上の道

頂上には火口をぐるり一周する「お鉢めぐり」というコースがあります。
噴火の激しさを物語る峰々。
それをめぐる3キロの道のクライマックスは日本最高峰の剣ヶ峰。
3776メートルの頂には、はるかな世界が広がっています。

古くから日本人の心のより所となってきた富士山。
四季折々に見せる美しい景色は人々を魅了し続けています。
しかし、その素顔は「火の山」。
宝永噴火の火口には今も噴火の激しさを物語る溶岩が残っています。
また樹海の地下には、マグマが作った巨大なトンネルもありました。
番組では、火口の内部など普段目にしない、火の山としての富士山の姿を中心に、噴火が生んだ自然造形と富士山信仰とのつながりについて描いていきます。