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2011年1月23日放送
国立歴史公園 “シタデル、サン スーシ、ラミエ”

40メートルの壁

970メートルの山頂に建てられた要塞シタデル。世界初の黒人奴隷による革命を成功させたハイチの自由の象徴である。
その壁はなんと高さ40メートル。13年をかけた難工事で2万人もの死者を出したといわれる。
なぜそれほど堅固な要塞を作ったのか。その影にはハイチの数奇な運命が隠されていた。

革命を呼んだドラム

1804年ハイチ独立。それは黒人奴隷が蜂起し、フランス軍と13年もの長い戦闘の末勝ち取ったもの。
虐げられた彼らが戦い抜けたのは、ハイチで生まれた信仰「ブードゥー」の、ある儀式がきっかけだった。
それがハイチの黒人の団結を生み、革命の原動力となった。
「ブードゥー」とは何か?歌と踊りに彩られたブードゥーの年に一度の祭りも紹介。

カリブ海のヴェルサイユ

独立を果たしたハイチだったが、それはまた新たな苦難の始まりだった。
黒人の独裁者クリストフが国家予算を自分のために使いヴェルサイユをモデルにサンスーシ宮殿を建設。シタデルもフランス軍の反撃に備え過剰に堅牢な要塞とした。
今に残るハイチの世界遺産は独裁者が残した負の遺産でもある。

フランスの植民地だったハイチは19世紀、黒人奴隷による革命で独立を果たした。
ハイチ唯一の世界遺産シタデルやサンスーシはいわば自由の象徴である。
2010年1月の大地震により甚大な被害を受けたハイチの1年後の様子を交えながら、彼らが歩んできた苦難の道のり、黒人奴隷たちが団結し自由を獲得するまでの物語を紹介。
そこにはハイチ発祥の神秘の信仰「ブードゥー」が深く関わっていたのである。

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