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2009年3月29日放送
マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園

洞窟住居群

マテーラには3300もの洞窟住居が密集している。最初は自然に出来た洞穴を住まいにした住居だけだったが、時代が下るにつれて洞窟住居もその様相を変えていった。外観は普通の石造りの家に見えるが、中に入ると窓が殆ど無い洞窟の住居が増えていった。現在見られる洞窟住居の殆どがこの後者の形である。

岩窟教会群

かつてマテーラに住むキリスト教徒達は自然に出来た洞穴を利用して数々の教会を設立。その教会の数は130を超えていた。マテーラの住人達は、その教会の修道士達から洞窟での生活の仕方を学んでいたったのである。

今からおよそ7000年前、人類はこの地に住み着いた。
自然にできた洞穴を住居としていたのだ。この地の人口が急激に増えたのは、8世紀から9世紀にかけて。イスラム勢力から迫害を受けたキリスト教徒達が身を潜める為に大挙してこの地に移り住み、最盛期には130もの教会を築いたのである。
やがて地中海沿岸の都市との交易も盛んになり、マテーラは15世紀には繁栄を極める。しかし、その一方で事態は思わぬ方向に進んでいた。
イタリア政府は、1954年、洞窟住居に住む1万5千人の全住人に対して強制退去命令を下したのである。一体…何故住人達は強制退去を強いられたのだろうか?
そこには、イタリア政府の貧民を思いやる熱い気持ちが込められていたのだ。

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