放送アーカイブ

2008年9月28日放送
フェルクリンゲン製鉄所

ドイツの片田舎にある巨大な産業遺産。それはさながら「ものいわぬ鉄のオブジェ」。

ドイツ鉄鋼業をいかに世界屈指の産業に躍進させたか。そのシステムを貴重なアーカイブフィルムから見てとる。

戦時中なぜか爆撃されずに残った製鉄所。
そのミステリアスなできごとをドイツの人々は「フェルクリンゲンの奇跡」と呼ぶ。

ドイツの西の果て、フランスとの国境近くに建つフェルクリンゲン製鉄所は、「産業遺産の大聖堂」と呼ばれる。19世紀、人類がそれまで不可能だった鉄の大量生産を実現、ドイツの鉄鋼業を世界屈指の産業に躍進させた。
フェルクリンゲンは当時の設備をそのまま残す、欧米先進国で唯一の製鉄所である。常に最新の技術を導入、世界の製鉄業をリードしてきたフェルクリンゲンであるが、暗黒の時代もあった。
第二次世界大戦中、ナチス政権下で兵器の生産工場へと変貌したのだ。しかし多くの製鉄所が連合国に爆撃される中、なぜかフェルクリンゲンは無傷のまま残った。「鉄の大聖堂」の数奇な運命を紐解く。

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