インタビュー

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Q. 続編のオファーを聞いた時のお気持ちは?

いついただいたか覚えていないのですが、嬉しかったです。前作が終わったときに「またいつか(続編は)あるだろうな」と思っていました。もしやるのであれば早くしてほしいなとも考えていましたが、こうして福澤監督とお会いしてみると、これまでの時間がスッと溶けていくような感覚があります。
中野渡頭取を演じられる北大路(欣也)さんとお芝居で向き合った時も、出向を命じられた“あの時間”が戻ってきたような感じがしました。

Q. 撮影が進んでいる現在の心境というと?

クランクインし始めの頃は、スタッフみなさんの中にある“半沢直樹像”についていけないところがありました。やはり、みなさんに愛されているキャラクターなんですね。現場で半沢に対する期待を感じるんです。そんなに大したことをするシーンでなくても。その期待にお応えできるか不安だったのですが、撮影が進むにつれ、少しずつ慣れてきました。
いろんな方から背中を押されている感じのほか、やはり福澤監督の“引っ張る力”がすごく大きいのだろうなと思います。

Q. 大反響を得た“誰もが知っているドラマ・キャラクター”をまた演じる想いというと?

やはり、プレッシャーはとても感じています。しかし、半沢も出向先の証券会社からのスタートですし、新しい作品だと思っています。前回と同じことをするのではなく、心機一転、新しい台本をいただいて、僕が思いつくことを演じるだけだと考えています。

Q. 前作から今に至るまで、ご自身と半沢というキャラクターとの距離感というと?

前作が終わって今作に至るまで、もちろん、半沢というキャラクターは僕の中から離れていましたが、撮影に臨むにあたり“また半沢を呼び起こす”という感覚ではなくて、関わっているみんなで思い出すものなんだということがわかりました。台本をいただいて、衣装を着て、少しずつ息を吹き返してきた感じでしょうか。

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Q. 新型コロナウイルスの影響により撮影が中断、そして再開したときのお気持ちというと?

ようやくお届けできるという想いで一杯です、嬉しい限りです。この度の2か月の中断は、それほど長くは感じませんでした。台本を読むなど、自分でできる準備をして過ごしていました。
撮影再開の初日は、片岡(愛之助)さん演じる黒崎とのシーンもあって、初日から激しい渦に巻き込まれた感じでした(笑)。

Q. 新作の台本を読まれた感想というと?

読んだときは気づかなかったのですが、実際に撮影してみると、それぞれのシーンのカロリーがとても高いと感じています。「撮ってみるとこんなに疲れるのか…」という感じでしょうか。これは、自分が力を込めれば込めるだけ、どんどん盛り上げていただけるというか、何か引き出されるというか、それをしっかりと受け止めてくださる福澤組ならではの感覚だと思います。何気ないシーンだと思っていたのに、力の籠ったシーンになっていると思います。
なぜそうなるのか? 監督のパワーですかね(笑)。でも、半沢直樹という人間の“気持ちよさ”みたいなものはあると思います。真っ直ぐさや勢い、気持ちの強さといった部分に、自分が乗せられているところもあるでしょう。その逆に、そんな半沢の想いに「自分は応えられているのだろうか?」という反省は日々あります。

Q. 撮影現場では良い意味で肩の力が抜けられているように見えますが…

そんなことはないです、力は入りっぱなしです(笑)。でも、ドラマは一人で作るものではなくて、キャストとスタッフが一丸となって息を合わせて作るものなので、自分も自然と頑張れているのだと思います。お芝居は“みんなで作るもの”だと、あらためて気づかされています。

Q. 前作では銀行員の半沢、今作では証券マンの半沢と、演じる違いはありますか?

業種が変われば、何か演じ方も変わるところがあるのかな? と考えていたのですが、前作と比べて特に違いはないと思います。証券会社へ出向しても、半沢はバンカーなんだなと、台本からそう読み取れるというか、半沢のバンカーとしてのプライドを感じています。

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Q. 今作で登場する若手社員・森山と半沢の関わりに思うことというと?

前作にも半沢には部下がいましたが、今作ではまた違った関わり合いが描かれています。今作では半沢は孤軍奮闘するのではなく、部下の森山に対して何か求めるものがあるというか、一緒に進んでくれないと半沢が困るのでしょうね。一方的に“先輩と後輩”“教える側、教わる側”という関係だけではない、二人の関係があるのだと思います。森山の働きで物語が進むところもありますし。
それと、家族や自分の身以外に“守るべきもの”ができたのは、半沢にとってとても大きいことなのだと思います。半沢は、初めて銀行の外に身を置いたことで、今までなかった帰属意識みたいなものを感じているのかもしれません。セントラル証券で働きはじめて、チームや仲間意識が芽生えてきたのだと思います。

Q. 撮影現場の雰囲気はいかがでしょうか?

福澤組は食事が美味しんですよね(笑)。緑山スタジオも食堂が美味しいですし、食事が美味しいことは重要です。
それと、久しぶりに(上戸彩さん演じる)花ちゃんの食事をいただきました。花ちゃんの食事も美味しんですが、今回はちょっと低カロリーなメニューになっているのかな? セリフで「おじさん、おばさん」と言っているので、年齢を意識した献立になっているのかもしれないですね。
共演させていただくみなさんの印象というと、撮影に入る前に台本の読み合わせがあったのですが、前作チームと今作で加わる方たちの“温度差”みたいなところがおもしろかったです。温度差があるのは悪いことではなくて、一度「半沢直樹」を経験している方たちは「もう出来上がっているのだな」と感じましたし、新しい方たちも一度合わせると、スッとチューニングしてらっしゃるので、みなさん只者じゃないなと思いました。
やはり前作でご一緒している方たちには安心感を覚えますし、及川(光博)さんなどは、大事なところはすべて渡真利から語られるので、重要度が増していると思います。

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Q. 今作の前編での敵役となる市川猿之助さんと、演じられる伊佐山について…

猿之助さんがどんなお芝居をするのか、とても楽しみですし、ご一緒できて光栄です。 ある意味、半沢はやることが決まっているので、あまり遊べない役なのですが、周りの方が自由に遊んでいただけることで、ドラマとして彩りが加わると思います。特に、香川(照之)さんは羨ましいくらいに自由に遊ばれる方なので最初はびっくりしましたが(笑)、あのまとわり付くようなお芝居はとても心地よいです。できることなら、僕も大和田を演じてみたいです。
また、副頭取の三笠を演じられる古田新太さんや、小料理屋の女将を演じられる井川遥さんなど、新しく加わった方がどんなお芝居をされるのか、楽しみで仕方ありませんし、こんな贅沢な現場はありません。

Q. あらためて、半沢直樹という男はどんな人物だと思われますか?

久しぶりに北大路さんと頭取室でお芝居をしたとき、「半沢は本当に気持ちのいい男で、大好きなんだよ」とおっしゃっていましたが、僕も同感です。味方にしたら、こんなに心強い男はいないんじゃないでしょうか。それと、頭でっかちな理論ばかりではなく、ちゃんと足も使って行動するところがいい。正論だけではなく、時にはギリギリアウトな線にも行きつつ、ダメだったらきちんと責任を取る。そんなところが半沢の気持ち良さだと思います。

Q. あらためて、このドラマの魅力というと?

登場人物たちのぶつかり合い、言い換えれば人間が“生きている様”や“生きている力”を描いているドラマなので、そこを弱めるようには作れないと思っています。ぶつかっていく力を弱めるという選択肢は、このドラマにはないでしょうし、そこがこのドラマの魅力だと思います。やるからにはおもしろいものを作りたいという強い想いで、キャストとスタッフが一丸となって頑張っています。

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Q. 最後に視聴者の方へメッセージをお願いします!

半沢直樹が、また戻ってきます!
毎回、ワンシーンごとに楽しみながら、共演者と普通にお芝居ができること、演じられることのありがたさを噛みしめています。
本当に大変な時期なので、キャストとスタッフとも健康に注意して撮影に臨んでおります。
その熱意と前に進む力、どんな状況にも諦めない力、そんな想いがドラマをご覧になるみなさんの心へ届けば、こんな幸せなことはないと思っています。

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