インタビュー

今井美樹さん ― 後編

萌奈美という女性を演じることについてはいかがでしょうか?

最初の頃は、どのようにアプローチすればいいか、思っているように萌奈美さんに近づけなかったんです。なので、迷ったり模索したりとしていたんですが、そんなとき、祐を演じる草なぎさんと一緒の空間に入ると、私もどんどん萌奈美さんに成れていくような感覚に気付きました。草なぎさんは、撮影に入る前は淡々としてらっしゃるんですけど、いざ芝居場に入ると、ギュッと集中されて、見る見るうちに祐になっていくんです。草なぎさんは本当にすばらしいですね。
そんな草なぎさんを見ていて感じたのが、頭の中で萌奈美という女性を作っていくのではなく、祐さんに身を委ねるというか、祐さんを感じることで萌奈美さんが表現化されるということでした。これは航一さんと向かい合っている萌奈美さんも同じで、祐と航一という二人のキャラクターと向き合うことで、萌奈美という人物が浮き上がってくると思います。

祐を演じる草なぎさんと、航一を演じる高嶋さんの印象は?

草なぎさんからは“静寂さ”を感じます。その静寂なイメージがあり、そこに強さをすごく感じているのですが、祐が持っている“静けさ”にも重なるところがあるというか、祐という人物の所作にブレがないんです。SMAPの草なぎ剛というところから、次の瞬間スッと祐に入れるところも、本当に不思議な方です。
高嶋さんも、本当にいい役者さんですよね。普段は太陽のような方なのに、航一さんのような人物も演じられるんですから。ご本人も存分に楽しんでやってらっしゃるようですが、最近は苦しくなってきていると思います。私は、航一さんと萌奈美とのシーンでは、すごく気が張るので疲れるんですけど、最近は航一さんが登場するシーンが長くなってきているので、高嶋さんも、時間的にも精神的にも大変じゃないかと思います。

最後に、視聴者の方へメッセージをお願いします!

このドラマの撮影が始まる顔合わせの際に、監督のお一人である吉田さんが「近年にない、行間を丁寧に描いた作品になると思います」とおっしゃいました。
その言葉の通り、このドラマでは、それぞれの登場人物の心の動きやその背景が、眼差しや沈黙の中に表現されています。また、ストーリーのいたるところに様々な伏線が張り巡らされ、さらにゆっくりと流れる時間こそが、祐と萌奈美の想いを饒舌に語っている気がします。
またこのドラマは、夫婦の在り方や親子の在り方、兄弟の関係などいろんな題材も散りばめられています。社会の様々な事柄が、それこそたくさん描かれていますよね。人と人とが繋がっているといろんな煩わしいこともありますが、でも人は、一人では生きてはいけない。そんなことを、あらためて想い感じさせてくれるドラマでもあると思います。
今はこの素晴らしい環境に身を置かせていただいて、ものすごく幸せです。スタッフの皆さんも本当に頑張ってくださっていますので、その熱意に応えられるよう、私も頑張っております! 最後まで応援よろしくお願いします。

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