試合日程・結果

国吉好弘 週刊サッカーマガジン編集部スーパーバイザー

1954年東京都出身。「週刊サッカーマガジン」「ワールドサッカーマガジン」編集長を経て現職に至る。サッカー界において世界から国内まで全てのカテゴリーに通じ、知らないことは全くないと云われている程、日本で一番サッカーに詳しい男。
「わからないことは国吉に聞け!」とは、サッカーメディアの人間の合言葉である。
通称「ドクター国吉」「サッカー博士」。EUROは4回現地取材を行っている。

石倉利英 フリーライター

1970年島根県出身。「週刊サッカーマガジン」編集次長を経て現職。
編集部時代は広島、磐田、浦和などのJクラブのほか、02年から08年まで日本代表を担当。
02年にポーランド、05年にウクライナと、今回共催する両国を取材で訪れた経験を持つ。


[ 6月18日(月) ]スペイン、終了直前にゴールをこじ開けて首位通過

文:石倉利英

クロアチア

0-1

スペイン

MFナバス(スペイン)が無人のゴールに蹴り込んだ。
 グループCの最終戦、ここまで1勝1分けのスペインとクロアチアが対戦。2-2以上のスコアで引き分ければ、もう一方のイタリアvsアイルランドの結果に関係なく、両チームがそろってグループリーグ突破となる。試合前は、そのスコアを目指して戦う「談合試合」の可能性が指摘されたが、いざ始まると、スペインがいつものようにボール支配率で圧倒する展開となった。

 細かくパスをつないでチャンスをうかがうスペインに対し、クロアチアは前線から最終ラインの間隔をコンパクトに保って対抗。それでもスペインは12分に、狭いスペースを突いたシルバのパスからイニエスタが狙ったものの、シュートは弱く、クロアチアGKプレティコサの正面。23分にはフェルナンド・トーレスが個人技で右サイドを突破したが、角度のないところからのシュートもプレティコサに防がれた。
 クロアチアも時折タイミング良く前線までボールを運び、25分にプラニッチ、26分には第2戦までに3得点を挙げているマンジュキッチがシュートを放ったものの、いずれもゴールを脅かすには至らず。結局クロアチアの前半のシュートは、この2本だけで、以降は再びスペインが優勢となった。
 しかし、その後もスペインはボールこそ支配するものの、クロアチアの守備網を破ることができない。ワンツーや個人技など、手を変え品を変えて攻略を目指したが、決定的な場面を作るには至らず。結局前半は、両チーム無得点で終了した。

 もう一方の試合、イタリアvsアイルランドは、イタリアが1-0とリードして前半を終了。このままのスコアで終わると、アイルランド以外の3チームが勝ち点5で並び、イタリアが1位、スペインが2位でグループを通過し、クロアチアは3位で敗退となる。

 この情報を受けて始まった後半は、前半同様にスペインがパスをつなぎながら攻める一方で、クロアチアはボールを奪った後に、前半よりも攻撃に人数をかけ、ゴールを目指すようになった。
 迎えた59分、両チームを通じてこの日最大のチャンスが生まれる。カウンターに転じたクロアチアは、モドリッチが右サイドを突破してセンタリング。ファーサイドで完全にフリーとなっていたラキティッチがダイビングヘッドで狙ったが、スペインGKカシージャスに防がれた。
 その後、両チームが選手交代で局面の打開を図り、オープンな展開となって双方にチャンスが生まれるものの、いずれも決めることができない。クロアチアはカウンターやセットプレーで惜しい場面があったが、やはりゴールを割ることができなかった。

 しかし終了直前の88分、スペインがついに均衡を破る。交代出場のセスクが中央をドリブルで進み、ディフェンスラインの背後に浮き球のパス。オフサイドぎりぎりで抜け出してパスを受けたイニエスタが、やはり交代出場で、逆サイドでフリーになっていたナバスに渡し、ナバスが無人のゴールに蹴り込んだ。

 結局、そのままスペインが1-0で勝ち、グループを1位で通過。クロアチアの集中力の高い守備、鋭いカウンターに手こずったものの、最後の最後にゴールをこじ開け、底力を発揮した。苦しみながらも1点を奪って勝つ展開は、優勝した2010年南アフリカW杯の決勝トーナメントを思わせるもの。前回のユーロ優勝から、ユーロ→W杯→ユーロの主要国際大会3連覇に向けて、はずみをつける1勝となった。
 
 もう一方のイタリアvsアイルランドは、イタリアが2-0で勝ってグループ2位通過。2戦目までに多くのチャンスがありながらも、無得点に終わっていたカッサーノとバロテッリが大会初ゴールを決め、こちらもベスト8に向けて勢いづく結果を手にした。

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開催国

  • ポーランド
  • ウクライナ

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6月6日現在

国名 ランク
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イングランド6
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