試合日程・結果

国吉好弘 週刊サッカーマガジン編集部スーパーバイザー

1954年東京都出身。「週刊サッカーマガジン」「ワールドサッカーマガジン」編集長を経て現職に至る。サッカー界において世界から国内まで全てのカテゴリーに通じ、知らないことは全くないと云われている程、日本で一番サッカーに詳しい男。
「わからないことは国吉に聞け!」とは、サッカーメディアの人間の合言葉である。
通称「ドクター国吉」「サッカー博士」。EUROは4回現地取材を行っている。

石倉利英 フリーライター

1970年島根県出身。「週刊サッカーマガジン」編集次長を経て現職。
編集部時代は広島、磐田、浦和などのJクラブのほか、02年から08年まで日本代表を担当。
02年にポーランド、05年にウクライナと、今回共催する両国を取材で訪れた経験を持つ。


[ 6月17日(日) ]オランダ超攻撃的布陣も実らず。ポルトガル8強へ

文:国吉好弘

ポルトガル

2-1

オランダ

FW C・ロナウド(ポルトガル)が冷静にかわして放ったシュートがネットを揺すり、事実上勝負は決した。
 「死のグループ」と呼ばれたB組の勝ち抜きをかけた一戦。ここまで1勝1敗のポルトガルは、勝てば自動的に2位以内が決定。引き分けでも突破の可能性がある。2敗のオランダは2点差以上で勝つことが絶対条件という状況だった。それぞれの立場を反映して、ポルトガルが前の2試合と同じ11人で臨んだのに対し、オランダはここまで途中出場だったファンデルファールトをスタメンで起用し、「ファンタスティック・フォー」と呼ばれる、スナイデル、ファンペルシ、ロッベンの4人をスタメンから並べ、さらに前線には今季ドイツ・ブンデスリーガの得点王、フンテラールを置く、超攻撃的な布陣で臨んだ。
 
 11分にはファンペルシ、ロッベンとつないだボールを受けたファンデルファールトが鮮やかなミドルシュートを決め、オランダが先制。この日の狙いが成功するかに見えた。ところが、オランダはここからたたみかけることができず、逆にポルトガルが息を吹き返す。11分、23分ときわどいシュートを放って、オランダ・ゴールを脅かしていたクリスチアーノ・ロナウドが、28分にジョアン・ペレイラのスルーパスに走り込んで同点ゴールを決めた。デンマーク戦では再三のチャンスを外し、頭を抱えていた大エースがついに目覚めた。

 1-1で迎えた後半、再び2点が必要になったオランダには焦りの色が見え、ボール支配では勝るものの、奪ったボールから素早く仕掛けるポルトガルに多くのチャンスが生まれる展開となる。59分にはC・ロナウドのパスからポスチガが決めるが、これはオフサイドの判定で取り消しに。

 肝を冷やしたオランダ・ベンチは、ここで先の2試合では左ウイングとしてスタメン出場していたアフェライを、左サイドバックのウィレムスに代えて投入。3バックとし、ロッベン、フンテラール、ファンアペルシ、アフェライの4人をトップに並べるさらに攻撃的な布陣にして、緊急態勢を取る。

 しかし、ここまでもポルトガルのカウンターを浴びていたリスクはさらに高まる。72分にC・ロナウドが左から持ち込んで折り返したボールをナニが合わせたピンチはGKステケレンブルクがファインセーブで逃れたが、その2分後、今度はナニが持ち込んで左へ振ったボールからC・ロナウドが冷静にかわして放ったシュートがネットを揺すり、事実上勝負は決した。

 ゴールの直前に、ボールを奪われたファンデルファールトとロッベンが激しく口論していたが、このシーンが、優れたタレントを揃えながら、チームとしてまとまり切れないオランダの問題点を象徴していた。

 結局2-1のままタイムアップとなり、2勝を挙げたポルトガルはデンマーク対ドイツの結果を待たずに決勝トーナメント進出を決めた。

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開催国

  • ポーランド
  • ウクライナ

FIFAランキング

6月6日現在

国名 ランク
スペイン1
ウルグアイ2
ドイツ3
オランダ4
ブラジル5
イングランド6
アルゼンチン7
クロアチア8
デンマーク9
ポルトガル10
チリ11
イタリア12
ロシア13
フランス14
ギリシャ15