試合日程・結果

国吉好弘 週刊サッカーマガジン編集部スーパーバイザー

1954年東京都出身。「週刊サッカーマガジン」「ワールドサッカーマガジン」編集長を経て現職に至る。サッカー界において世界から国内まで全てのカテゴリーに通じ、知らないことは全くないと云われている程、日本で一番サッカーに詳しい男。
「わからないことは国吉に聞け!」とは、サッカーメディアの人間の合言葉である。
通称「ドクター国吉」「サッカー博士」。EUROは4回現地取材を行っている。

石倉利英 フリーライター

1970年島根県出身。「週刊サッカーマガジン」編集次長を経て現職。
編集部時代は広島、磐田、浦和などのJクラブのほか、02年から08年まで日本代表を担当。
02年にポーランド、05年にウクライナと、今回共催する両国を取材で訪れた経験を持つ。


[ 6月11日(月) ]エースを待って、納得のドロー

文:国吉好弘

フランス

1-1

イングランド

DFレスコット(イングランド)がヘッドで合わせて均衡を破った。
 D組の初戦はイングランド対フランス、いきなり、(グループリーグ)勝ち抜き候補同士の直接対決となった。しかし、両チームが大会を迎える状況には大きな違いがあった。ワールドカップ南アフリカ大会での失態の後、その元凶であったドメネク前監督の後を受けたブラン監督が、徐々にチームを立て直し、予選を突破するとともにここまで21戦無敗という記録を残してきたのに対し、2月にカペッロ前監督が辞任し、後任にホジソン監督が決まったのが1か月前というイングランドは、追い打ちをかけるように怪我人が相次ぎ、重鎮のランパードを始め数人が離脱、何より苦しいのはエース、ルーニーが予選最終戦での退場処分で、2試合に出場できないことだった。
 
 そんな状況を反映して、フランスが試合の主導権を握る。9分にはナスリのミドルシュートがイングランド・ゴールを脅かした。しかし、最初の決定機を迎えたのはイングランド。15分にヤングがボールを受けて下がりながら裏へ出すと、走り込んだミルナーが抜け出し、飛び出したGKロリスもかわすが、無人のゴールを狙ったシュートはサイドネットの外へ。それでも30分には、右サイドで得たFKからジェラードが上げたボールに、DFのレスコットがヘッドで合わせて均衡を破った。
 
 フランスもすかさず反撃し、失点の5分後にはやはりFKからディアラがヘッドで狙い、GKハートの好守に阻まれるが、こぼれをリベリがつないで、ディアラが再度ヘディングシュート。これも左へ外れたが、これで勢いづく。40分には、左サイドへ持ち込んだマルダが返したボールをつないで、最後はナスリがペナルティーエリア外から決め、同点に追いついた。
 
 後半に入ると、フランスのポゼッションがさらに高まり、イングランドは引いて守りを固める。グループ最強の相手との対戦だけに、引き分けを狙うのは常道だが、それ以上にエース不在の影響が強かったはずだ。ホジソン監督がその言葉を口にしたかは定かでないが、「ルーニーが帰ってくるまで耐えて、望みをつなぎたい」という思いが透けて見えた。
 
 対するフランスも、深追いして傷を負うリスクは避けたかった。強引に仕掛けてカウンターを食らい、勝ち点を失うくらいなら、こちらも引き分けで良しと考えるのが妥当だろう。やはり、この試合をしのげば、残る2試合は実力的には劣る相手だけに、グループリーグを勝ちぬける公算は高い。ボールを支配するが、相手の堅守をこじ開けるまでには至らず、チャンスと言えば遠めから放つシュートに限られた。

 結局、双方が望むように1-1のままタイムアップ。勝ちぬき候補の両チームの実力が見られるのは今後の試合。とりわけイングランドはルーニーが復帰するグループリーグ最終戦ということになりそうだ。

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開催国

  • ポーランド
  • ウクライナ

FIFAランキング

6月6日現在

国名 ランク
スペイン1
ウルグアイ2
ドイツ3
オランダ4
ブラジル5
イングランド6
アルゼンチン7
クロアチア8
デンマーク9
ポルトガル10
チリ11
イタリア12
ロシア13
フランス14
ギリシャ15