金曜ドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』

INTERVIEW
- インタビュー -
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松岡昌宏さん
(井原侑市)
Q.
最初に脚本を読んだ時の感想はいかがでしたか?
恋愛物にもいろんなアプローチの仕方があると思いますが、このドラマについては普通の恋愛物としてとらえるよりも、身近なものとして存在するアルツハイマー病がひとつのテーマにもなっているので、あまり見たことがない、新しい作風だなと感じました。
Q.
演じられる井原侑市について
決して器用な男性じゃないんでしょうね。何をもって器用か不器用かは別として、どちらかというと本能のまま生きるタイプではないなと思います。いつもどこか客観視して自分を見て、理論的。そんな生き方をしていく中で、尚という女性に出会って、心の中の1個引き出しが開いたがために、他の引き出しも開いてしまったんじゃないかな。そこから今まで作ってきた自分の40年間が少しずつ変わり始め、今後自分自身が思ってもみなかった行動を取ったりするかもしれませんね。
海外に行ってまで若年性アルツハイマーの研究をするということはすごい使命感もあるだろうし、その辺は誰より真面目な部分を持っている男です。
Q.
侑市を演じていく上で心掛けていることはありますか?
こういう役って10人が10人、違う役を求めてくるんですよね。それを全部聞いているときりがないので、ベースラインをきっちり抑えた上で監督と丁寧にディスカッションしながら作っていっています。監督とは、特に撮影に入ってすぐの時はキャラづくりなんかもあるので、心情的なところなんかは「こっちの方向で行きましょうか」ってより細かく相談していましたね。
Q.
松岡さんから見て北澤尚はどんな女性?
僕から見てですか?…嫌です(笑)!リアルな意見を言うと、僕の周りに尚がいなくてよかった(笑)。どこにでもピョンピョン飛び跳ねていく女性は、本人はいいかもしれないけど周りは困りますよね。でもそういう女性は何らかの魅力があるから惹きつけられるんでしょうし、周りも翻弄されてしまうんでしょう。天真爛漫というか、その魅力は計算で作れるものではない。尚にはきっとその魅力があるんでしょうね。
今、「嫌です」とは言ってしまいましたけど、一度でも振り回されるような経験ができる、そんな女性に出会えたらひょっとしたら幸せなのかもしれませんね。
Q.
そんな尚を演じる戸田恵梨香さんについて
失礼に聞こえてしまったら嫌なんですけど、(1話での)キスシーンが楽でした(笑)。最初から「こうしても大丈夫ですか?」「あ、全然平気です!」って感じでやらせてもらったので。アメリカの大学行ってアメリカで生活している人間がきっとやるであろう行動、言い方を変えると、大人の恋愛かなと考えて。大人の恋愛をしっかり撮れたらいいな、と思っていたら戸田さんも同じような意見・価値観でそのシーンを撮ることができたので、こういう言い方は失礼かもしれませんが、すごくよかったですし楽でした。
Q.
ライバルとなる間宮真司についてはいかがでしょう。
僕は侑市と真司、どちらが好きかと聞かれたら真司なんですね。でも、だからこそ侑市を演じられるんだと思います。真司は何と戦っているのか自分でもわからなくなってきていると思うんですよ。一回賞を取ってきたけどそこから続かない悔しさやジレンマもあるんじゃないかな。そして何より女性に経済面含め劣っているから無理をしなければいけない自分の情けなさみたいなところは、より人間的で魅力的に感じています。
好きな女性の母親からお金なんて包まれた日には、僕だったらとてもじゃないけど…と思いますけど、でも彼はきちっと飲み込んだ。一回飲み込んだ上で尚を選んで、お金を返さなきゃって…実は一番紳士的な男性なんですよね。
侑市も真司、その辿っている道が違うだけで、方向は一緒でどちらも見守る愛ではあるんです。真逆ではあるけど同じ方向に向かってるんですよね。
Q.
真司役のムロツヨシさんはいかがですか?
まだそんなにご一緒するシーンがないんですが、魅力的な俳優さんですし、自分にない表現をなさる方。僕もいろんな作品を拝見させていただいていてご一緒できることは勉強にもなるし、こういう形で役作りなさるんだと分かれば、じゃあ自分はこっちの角度から攻めていってみようというのはできるので、刺激のある現場になりそう。それが今からとても楽しみです。
Q.
視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
尚という一人の女性がきっかけとなって動く、その周りの人たちの関係性もすごく面白いと思っています。新しい形のドラマになっていくと思うので、ぜひ今後もご覧ください。
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