2017年2月28日(火)〜5月28日[国立西洋美術館]

作品紹介

建築装飾 寓意と宗教主題

サン・メリ教会、サン・ロック教会、サン=フィリップ=デュ=ルール教会など今も残るパリの教会や、1871年のパリ・コミューンで破壊されたオルセー河岸の会計検査院など、数々の公共建築物の天井や壁の装飾にシャセリオーは若くして取り組み、大画面に寓意画や宗教画を描き出しました。ここでは、関連習作や資料などを通して、こうした建築装飾の仕事、そして最晩年の宗教画などを紹介します。

《東方三博士の礼拝》 油彩・カンヴァス 75×50cm 1856年 プティ・パレ美術館 © Petit Palais/Roger-Viollet 37歳で急逝したシャセリオーが最後に手がけた作品の1つです。救世主誕生のお告げを受けて馬小屋の聖母子のもとを礼拝に訪れた東方の三博士はそれぞれ褐色、黒、白と肌の色が違い、異なる民族をあらわしています。聖母子像については、子を抱く母の姿はシャセリオーが繰り返し描いてきたモティーフであるとともに、マリアの顔は最後の恋人マリー・カンタキュゼーヌ公女の面影を宿すといわれます。本作は彼女が所有していた作品の一つです。

《戦支度をする「秩序」》 黒鉛、鉛筆、パステル/紙 45.6×58.7cm 1844-46年
ルーヴル美術館素描版画部門/ 1935年アルチュール・シャセリオー男爵より遺贈
Photo©RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michèle Bellot / distributed by AMF

《会計検査院の建物のためのシャセリオーの装飾壁画の断片―諸民族を結びつける商業(西洋の海岸にいる東洋の商人たち)》 カーボン紙に焼きつけ 42×31cm 1890年 ブラウン&クレマン社撮影 オルセー美術館
Photo©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

《裸婦半身像》 鉛筆、白のハイライト/灰色の紙 29.3×23.8cm 1845-48年頃
ルーヴル美術館素描版画部門/ 1935年アルチュール・シャセリオー男爵より遺贈
Photo©RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michèle Bellot / distributed by AMF

《会計検査院の建物のためのシャセリオーの装飾壁画の断片―力と秩序》 カーボン紙に焼きつけ 48.5×38cm 1890年 ブラウン&クレマン社撮影 オルセー美術館 Photo©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

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