バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #690 2019.10.26 O.A.

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4年越しの夢 親子で勝ち取ったドラフト指名 佐藤都志也
注目を集めるプロ野球ドラフト会議。2019年はプロを目指す若者の中から、育成を含めて107人が指名された。毎年、喜びの裏で、悔しさをかみしめた選手が多くいる。2015年、高校球界屈指の捕手として、有力候補といわれた佐藤都志也もその一人だ。
福島県の強豪校・聖光高校で4番キャッチャーとして甲子園にも出場した佐藤。肩の強さと足の速さで注目を集め、プロ7球団から調査書が届いていた。ドラフト当日、周囲の期待を背負い、母と共に多くの報道陣の前で指名の瞬間を待った。しかし、最後まで彼の名は呼ばれることは無かった。隣にいた母もその時の悔しさを忘れられないという。
“絶対に見返す”そんな息子のために母は、パートで蓄えた全てのお金を大学の学費になどにあてた。小学3年で野球を始めた当時から、一家の生活は決して裕福ではなかった。中学では、硬式野球をやりたいと母に訴えた。だが硬式は道具などお金がかかる。母はその願いを叶えてやることが出来なかった。そんな、家族の状況を受け入れ、佐藤は軟式野球で、キャッチャーとして全国大会でも活躍。佐藤は、中学の卒業文集にこんな夢を書いている『ドラフト3位でプロ、年俸1億』。高校では、息子の夢の硬式野球をやらせたい。母もパートの仕事を始めた。そして休みの日には、自らハンドルを握り応援に駆け付けた。息子の活躍が母の生きがいとなっていた。当時、母に佐藤は手紙で思いを届けていた『寮費など様々なお金を使わせてしまいすみません。パートまでしてくれて本当に有難いです。将来お金は返します。お母さんの元に生まれて幸せです』母は今でも、そんな手紙を大切にしまっているという。
高校卒業後、東洋大に進んだ佐藤は、プロを目指すのに何が足らないのかを見直した。自ら出した答えは、パワーとバッティング。肉体改造に取り組んだ結果、体重は10キロ以上増えた。課題のバッティングで力強さを身につけた。その成果が早くも表れ、2年の春のリーグ戦では首位打者、秋には最多安打のタイトルを獲得する。毎日欠かさず野球ノートをつけ相手チームを分析するなどキャッチャーとしても大きく成長し、2年連続で大学日本代表に選ばれるほどの成長を遂げた。
そして運命の2回目のドラフト当日。実は、ドラフト当日は母の52歳のバースデイだった。一巡目の指名が終わり休憩に入った。母は4年前の悪夢を思い出す。開始から1時間6分、遂に佐藤の名が呼ばれた。ロッテからドラフト2位での指名、家族の4年越しの夢が叶った瞬間だった。母にプロ野球選手という最高のバース・デイプレゼントを贈った。
令和の怪物・佐々木朗希と佐藤都志也の黄金バッテリーを作り、二人でチームを優勝に導く日を楽しみに待ちたい。
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