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BACK NUMBER #689 2019.10.19 O.A.

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注目のプロ野球ドラフト会議 ドラフト指名の隠れた主役スカウトたち
毎年行われるプロ野球ドラフト会議。2019年プロ野球選手という夢を掴み取ったのは大船渡・佐々木や星稜・奥川など、計107名。そんな彼らの能力を判断し、選手たちとプロ球団をつないだのが、スカウトと呼ばれる人たちだ。彼らは、明日の戦力を探し出すべく日夜、選手を視察し、追い続けてきた。甲子園などの大会だけではなく、年間休みなく逸材を探して日本各地を回る。そんな彼らの眼力が計られるは、指名した選手の活躍といっても良いだろう。
2019年、5年ぶりにリーグ優勝を果たしたジャイアンツ。その優勝を決める一打を放ったのは増田大輝26歳。入団4年目、2019年初めて1軍に昇格した男が大仕事をやってのけた。増田はプロ入り前には、四国の独立リーグで、プレーしていたものの、一時は、野球を諦め、生活のために、とび職をしたこともあった。そんな増田を見出したのは、関西地区を担当する巨人スカウトの渡辺政二52歳だ。渡辺自身、ドラフト3位で巨人に桑田と同期入団した元プロ野球選手だ。増田のプレーを初めて見たのは2014年だった。その時すぐに、プロで通用する可能性を感じたという。当時の手帳に『脚力があり積極的な走塁できる。センスを感じる』と書き残されている。何度も視察を重ねるうちに、プロという世界で勝ち抜いていくための心の強さを見抜き、ドラフトで指名することを決めた。育成選手として入団した増田は3軍で懸命に自分の武器を磨き続けた。そして2019年その努力が実った。抜群の走塁・守備力と負けん気で遂に1軍昇格を掴み取った。デビュー戦でさっそく持ち味を見せる。試合終盤、守備についた増田は失点を防ぐ見事なホームへの送球を披露。原監督も賛辞を惜しまなかった。その後、幾度となく勝利に貢献し、一度も2軍に降格することなくシーズンを戦い抜いた。選手の活躍は、渡辺にとってスカウト冥利につきるものだった。
交流戦でヒットを量産、ルーキー史上初の首位打者に輝いたオリックス中川圭太23歳。周りを驚かせたのはドラフト7位という下位指名選手だったことだ。だが、ただ一人この活躍を確信していた男がいた。担当スカウト牧田勝吾45歳、これまで多くの選手を発掘してきた敏腕スカウトだ。中川に白羽の矢を立てたのは4年前、名門高校で主将を務め、東洋大に進学後、1年生で主軸として活躍。その才能にほれ込んだ牧田は、足繁く大学に視察に通った。しかし、中川は最後のリーグ戦で大きく成績を落としてしまう。その結果、オリックスは中川を指名候補から外す結論を下していた。ドラフト本番、牧田は球団社長、西村監督らと共にテーブルに着いた。中川は、母と共に自分の名が呼ばれるのを待っていた。1巡目、2巡目…各球団の指名が続く。オリックスは予定の6人の指名を終えた。ここで牧田が動いた「選択終了では無く、中川行ってください。うちの球団に必要です」まさに異例の直談判だった。その後ドラフト7位の新人がクリーンナップを任されるほどの存在となった。中川は牧田への感謝を忘れないという。
プロという夢を掴んだ若者たちの陰には、揺るぎない信念で、背中を押ししてくれたスカウトがいる。毎年繰り広げられる選手とスカウトの熱きドラマを、これからも追い続ける。
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