バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #681 2019.8.17 O.A.

バックナンバー
戦力外から10か月、もう一度プロの舞台に…若松駿太の戦いに密着
夏になり激しいペナントレースが繰り広げられているプロ野球。そんな中、主力選手の故障などで苦戦を強いられているチームも多い。そのため各球団、決められている7月31日の期限までに新・外国選手の獲得や他球団とのトレードなどで後半の戦いに向かい戦力補強を図る。このほかにも、育成からの昇格や独立リーグから選手を獲得することができる。今までに14人の選手が独立リーグからこのチャンスを掴んでいる。
今年、独立リーグ栃木ゴールデンブレーブスからNPB復帰を目指す一人の選手がいる。中日ドラゴンズから戦力外となった若松駿太24歳。ドラフト7巡目の指名ながら、チェンジアップを武器に10勝を上げる活躍を見せ、同期の大谷や藤波と共にチームの中心投手への成長が期待された投手だ。2018年は、妻となる沙苗さんと出会うなど、まさに公私共に飛躍の年になるはずだった。ところがシーズンが始まり直ぐに右肩に違和感を覚え出した。思った投球が出来ず、打ち込まれる場面が増えていく。シーズン終了まで状態は好転せず、一軍登板が無いまま終えてしまった。二桁勝利から3年、ケガから結果を出せなかった若松を球団は待ってはくれなかった。告げられた戦力外。懸命のリハビリを続けて自信を取り戻した若松は、12球団トライアウトに挑むことを決意する。無安打の投球を見せたが、NPBからの連絡は入らなかった。声をかけてくれたのは栃木ゴールデンブレーブス。そこで、野球を続けるために若松は大きな決断を下した。「一緒に来て欲しい」先が見えない中でのプロポーズ。それは必ずNPBへ復帰するという若松の覚悟だった。沙苗さんはすぐに答えを出せなかったという。しかし、彼の覚悟を聞いた時ついて行かないという選択肢が無くなった。妻も生活を支えるため知らない土地で仕事を探す。毎日の仕事を終えてから食事を作る。夫のスタミナを考えたメニューだ。夕食後、休む間もなく泥だらけのユニフォームの洗濯に取りかかる。プロ野球選手だった頃と違い、独立リーグの選手たちは自ら洗わなければならないのだ。沙苗さんは毎回この泥だらけのユニホームを3度洗いするという。野球選手の証であるユニフォーム、綺麗なものを着て練習に挑んで欲しいとの沙苗さんの思いだ。
2019年4月、ホームでの開幕戦。1年ぶりに先発でマウンドに立つ若松を妻はスタンドで見守る。序盤苦しむが、見事立ち直り、妻に勝利というプレゼントを届けることが出来た。若松はその後も登板するたびに調子を上げていった。そんな若松に、大きなチャンスが訪れた、それは巨人3軍との公式戦だ。プロの選手を相手に好投できればNPB復帰に向いて大きなアピールになる。若松は気迫のピッチングを見せる。6回1失点の投球内容。戦力外告知を受けて10か月、これまでNPBに戻るために全力で戦ってきた。7月31日、支配下登録期限の日、若松は練習グラウンドにいた。しかし、NPBの球団からは連絡がなかった。悔しさをにじませるが、このまま終わる訳にはいかないと、決意を固める若松。次のチャンスは11月の12球団合同トライアウトだ。
夫婦で挑むプロ野球復帰、若松駿太24歳の戦いはまだ終わってはいない。
[BACKNUMBER]
banner_AD
Loading…

SNS

TBSトップページサイトマップ Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.