バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #675 2019.6.29 O.A.

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あくなき戦いの日々 シニアアスリートたちの挑戦
史上最多のオリンピック出場記録を持ち、現在もトップアスリートとして活躍するスキージャンプの葛西憲明。彼に代表される、肉体の衰えと年齢の壁に挑み続けているシニアアスリートたち。彼らを突き動かすものとは何なのか、その熱き日々を追った。
水上で、激しくスピードを競うジェットスキー。最高時速は160キロを超え、700馬力を超えるマシンもある。アジア大会では正式種目にも採用される人気スポーツだ。国内でも、多くのライダーが全国を転戦し、その腕を競い合っている。その中で若きライダーたちから“キング”と呼ばれ、30年もの長きにわたり頂点で輝き続ける男がいる。竹野下正治53歳。毎週末は、競技の為に全国を駆け巡っている。平日は、知人の会社で生活し、働いている。53歳未婚、ジェットスキーに全てを捧げてきた。彼がジェットスキーに出会ったのは20歳の時、時代はバブルの真っただ中。竹野下はすぐにジェットスキーにのめり込んだという。それからわずか3年で日本チャンピオンにまで駆け上がった。身に着けるウエットスーツなどは有力スポンサーから提供されるようになった。自分の居場所を確保するためにも、勝ち続けなければならないのだ。ジェットスキーは体重が軽い方が有利とされる。そのため、食事管理や毎日のトレーニングを欠かさない。今シーズンも初戦から年下のライバルたちに圧倒的な強さを見せつけた。53歳になった“キング竹野下正治“は、まだ30年守り続けたトップの座を明け渡す気など無い。
千葉県のスポーツジムに、オリンピックを目指すアスリートに交じり、激しいトレーニングを積む86歳の男がいる。トライアスロンの中で最も過酷といわれる、総距離226キロで競うアイアンマンレース完走のギネス記録を持つ稲田弘だ。その練習量には20代のアスリートたちも舌を巻く。彼のスイムキャップに『やればできる』の言葉が。水泳、自転車,そして走るというトライアスロン。その練習量は尋常ではない。それを支えるのは食事。しっかり一日3食を欠かさない。稲田がトライアスロンを始めたのは70歳を過ぎてからだ。昭和7年に生まれ、大学卒業後に報道記者となり忙しく全国を飛び回っていた。50歳を過ぎた時,そんな彼に大きな転機が訪れる。最愛の妻が病に倒れたのだ。傍にいないとダメだ。そう思い会社を辞めた。同時に看病のための体力をつけるためジムに通いだした。そんな生活が10年続いた…。生前、病床の妻から「やるなら私が出来ない分も一生懸命やれ」。そう言われた言葉がきっかけとなり、本格的にトライアスロンを始める。今シーズン最初のレース、妻の言葉を支えにして制限時間内の完走を目指す。そんな姿に沿道からも大きな声援がとぶ。32人が棄権する過酷なレースで無事完走を果たした稲田弘86歳「人生終わりに近づいてこんな素晴らしい競技に出会えてうれしい」その輝いた顔はとても満足そうだった。
年齢を、限界ととらえるのは、もう古い。稲田弘86歳、竹野下正治53歳。果てしなき可能性を、見届けたい。
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