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BACK NUMBER #659 2019.3.9 O.A.

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年間2億円を稼ぐ男の栄光と挫折・峰竜太の頂点を目指す戦い
スポーツ界には、ライバルたちに手も足も出させず頂点に君臨するアスリートが存在する。約1600人ものプロ選手が、勝利を目指してしのぎを削る中で、4年連続で最高勝率を叩き出している現役最強のボートレーサー峰竜太33歳もその一人だ。まさにボートレース界のスーパースターだ。だが、かつてそんな男も“泣き虫王子”と揶揄されるほど大舞台にめっぽう弱く、幾度も悔し涙を流し続けていた。そんな彼が、いかにして頂点に上り詰めることができたのか。その絶対王者の天国と地獄の軌跡を追った。
2018年、峰がボートレースで獲得した賞金は2億円を超える。妻と3人の子供たちと暮らす自宅は、20代の若さで己の腕一本で建てた1憶円の豪邸だ。2004年に19歳でプロデビュー。一度も優勝できずに引退していく選手が多いボートレース界で、早くも優勝を遂げる。どの競技でも、トップ選手の強さの条件として『心技体』という言葉が使われる。峰もデビュー時から減量を行い、常に体脂肪率は10%以下だという。ボートレースでは、スピードに直結する艇のプロペラ調整を選手自身で行う。休日には、調整加工の技術習得の為に自ら作った部屋で多くの時間を費やしてきた。そしてもう一つの武器は、レースの行方を大きく左右するコーナーの旋回技術。いかにスピードを落とさず鋭角に曲がるかだ。峰のターン技術にボート界のレジェンドも舌を巻く。
理想の技術と体を手にした峰だが、それでも跳ね返され続けてきた巨大な壁があった。ボート界最高グレードのレースSGでの優勝だ。峰の強さに、SG制覇は時間の問題と誰もが思っていた。そんな中で迎えた2013年のオーシャンカップ、優勝戦で初めて先頭を捉えた。その瞬間、SG制覇が頭をよぎった峰は自分を見失った。次のターンで先頭を明け渡してしまう。さらにその直後、信じられない展開が待ち受けていた。なんとターンマークに激突し、優勝を目前にしていた峰は最下位に沈んでしまう。レース後、あまりの不甲斐なさに人目をはばかることなく号泣した。そして2年後、ダントツの優勝候補で再び迎えたSG優勝戦。ターンを回る際に膨らみ勝利を逃がしてしまった。またも艇の上で涙を流した。一体なにがいけないのか悩み抜いた峰は一つの答えを出した。ストイックすぎる姿勢が自分を追い込んでいたのではないか?そして、峰が始めたのは休日のサーフィン。ボートとかけ離れた時間を設けることでレース場での集中力が増すようになったという。そして、失敗レースの映像は見ないなどマイナス要素を排除するなど心の充実を図った。2017年、遂に悲願の時が訪れる。SG11回目の優勝戦で涙の優勝を勝ち取った。巨大な壁を自らの力で超えた峰。2018年12月、デビュー13年目で迎えたSGグランプリ、優勝賞金1億円のボートレース界で最も権威のある大会だ。この日、誰も峰の勢いを止めることはできなかった。1着でゴールし、遂に1600人のボートレーサーの頂点に立った。
悔し涙はもういらない。頂点を極め、更なる高みを目指す峰竜太33歳。平成最後のSGは新たなる伝説の始まりなるだろう。
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