バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #651 2019.1.12 O.A.

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戦力外寸前からの夢舞台へ・オジュウチョウサン陣営の挑戦の日々
毎年、年末の中山競馬場で開催される競馬の祭典・有馬記念。これまでも、この舞台では数々の“奇跡”と呼ばれるレースが繰り広げられてきた。葦毛の怪物と言われたオグリキャップ復活のラストラン。ディープインパクトが史上3頭目となるG1・7勝の偉業を達成。またこのレースはファンの人気投票で出走が決まるオールスター戦だ。
2018年12月23日、中山競馬場は10万人を超える競馬ファンの熱気に包まれていた。
この日多くのファンの注目を集めたのは、圧倒的な人気投票数で選ばれ、有馬記念に出走する7歳のオス『オジュウチョウサン』だ。その名は連日スポーツ新聞の一面を飾り、競馬場には特設ブースが設置されグッズが飛ぶように売れた。しかし、この馬はデビュー前から注目を集めるようなエリート馬ではなかった。北海道・日高で生まれた子馬はオーナーの長山によってオジュウチョウサンと名付けられた。オーナーに夢を託され、オジュウチョウサンはデビュー戦を迎える。結果は15頭中11着、次戦でも8着という成績。その後も出走したレースで大敗が続き、故障休養もあり2年間で一度も勝つことができなかった。復帰後、競走馬としての生き残りを賭けて挑んだのは障害レース。しかし結果は14着とまたもや惨敗、まさに引退の危機だった。だが一人の男との出会いによりオジュウチョウサンの状況は一変する。新しく担当となった長沼厩務員。彼は18歳の時「G1に出る馬を任されたい」と厩務員になった。しかし、現実は厳しく重賞レースで勝利することが出来ないまま、37年の月日が流れていた。オジュウチョウサンとタッグを組んで4ヵ月後に待望の初勝利。覚醒したオジュウチョウサンはその後も勝利を積み重ねてゆく。そして遂に2016年4月、長沼厩務員が夢を叶える日が訪れる。G1レースの勝利を勝ち取ったのだ。その後もオジュウチョウサンの快進撃は止まらず、障害G1レース史上初となる5連勝を記録する。この圧勝劇によって永山オーナーは大きな決断を下した。それは『有馬記念』出走だった。
オジュウチョウサンはG1馬とはいえ、障害馬がドリームレースに出場するには幾つかの条件をクリアしなければならない。まずは平地のレースでの勝利。ここで敗れれば夢は夢のままで終わってしまう。手綱を任されたのは天才騎手・武豊。歓声のなか2馬身差で勝利。新コンビが誕生した。次戦でも勝利をあげ陣営の夢が現実となった。
有馬記念当日、10万人を越える観客の前に、長沼厩務員と共に堂々の入場。いよいよ夢のレース。1番枠から好スタート…結果は9着。走り終えた愛馬を迎えた長沼厩務員の目には涙が浮かんでいた。
多くのファンの夢を背負った『オジュウチョウサン』。今後も崖っぷちからの新たなる挑戦を見守り続けたい。
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