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BACK NUMBER #592 2017.10.28 O.A.

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横浜DeNAベイスターズ・史上最大の下剋上の真実
いよいよ幕が上がる日本シリーズ。パ・リーグの覇者・福岡ソフトバンクホークスに挑むのは、セ・リーグ3位、横浜DeNAベイスターズ。ペナントレースは、セ・リーグ王者広島に14.5ゲーム差をつけられたが、クライマックスシリーズでは投打がガッチリとかみ合い広島を圧倒。19年ぶりの日本シリーズの切符を掴み取った。翌日の新聞には『史上最大の下克上』一体なぜDeNAは、CSで広島を撃破することが出来たのか?そこには3つの真実があった。
【筒香嘉智のキャプテンシー】
べイスターズは、2006年から実に10年連続Bクラス、そのうち実に7回も最下位に沈んでいる。そんな弱小チームをCSへ進出させたのは、この男の存在だった。筒香嘉智(25)。DeNAの4番でありキャプテン。彼の存在なくしてこの快挙は、成しえなかったと言っても過言ではない。筒香は、ある男との出会いで大きく変わったと言われている。前・DeNA監督、中畑清。2人が出会ったのは、中畑がDeNAの監督になった2012年。この時、筒香はプロ3年目で壁にぶち当たり伸び悩んでいた。しかし中畑は、そんな筒香に対し、ある強い思いを持ち、口を酸っぱくして言い続けたことがある。『人間力を高めなければ、一流の野球選手にはなれない』
そんな中畑の思いを筒香は今も大切にしている。遠征先のホテルを訪ねると、壁1面に張られた言葉の数々。
“今日1日が終わった時にどのような成果を手に入れる事が出来たら最も価値があるか?”
中には野球以外の言葉も…
“野球バカであってはいけないと思っている”
そんな筒香は3年前、中畑からキャプテンに指名された。この時まだ23歳。“プレーでチームを牽引するキャプテン”それを象徴するシーンがCS第4戦、0対3とDeNAがリードされ迎えた4回、筒香がソロホームラン。それをきっかけにDeNA打線が爆発。見事逆転勝ちをした。若きキャプテンの放った一発は、チームのムードをがらりと変える単なる一点以上の重みがあった。さらに筒香は、プレーだけではなく精神面でもチームを引っ張った。CS第1戦、雨の中で行われた試合。3対0と広島リードで迎えた5回。結局雨が止まず試合は打ち切り。DeNAはコールド負けとなった。この時、途中で試合を打ち切られたことに不満を漏らす選手が続出したが、筒香は選手を集めこう話したと言う。
『悔しい気持ちはみんなある。苛立ち、もどかしさもある。でももう終わったことは変えられない。俺たちに出来ることは4つ勝つ事だけ』
【アレックス・ラミレス監督 打倒広島への執念】
2016年、DeNAは新たな監督を迎え入れた。アレックス・ラミレス、当時41歳。現役時代は外国人初の2000安打を達成する実力もさることながら、陽気な性格で愛された選手。一方で野球に対しては現役当時から相手投手を徹底的に調べるなど、研究熱心なことで知られていた。ほぼ毎日の様にパソコンの前に座り、相手投手の研究に没頭していた。監督就任1年目の2016年、DeNAは初めてCSに進出した。しかし広島相手にわずか1勝しかできず完敗。そこで2017年は、打倒広島をかかげ、徹底的な分析を行った。そんな広島への執念が実ったのが8月。この時の3連戦はプロ野球史に残るドラマの連続だった。まずは初戦の9回裏。3点リードされ迎えた9回、ランナーを1人置いて、3番・筒香、4番・ロペス、そして5番宮崎が3者連続ホームランを打ち、サヨナラ勝ち。さらに翌日、続く3戦目もサヨナラ勝ちをし、3試合連続のサヨナラ勝ちをやってのけた。同一カードでは史上初の快挙。この3連戦の持つ意味は非常に大きかった。2017年、広島は2位・阪神に10ゲーム差。3位・DeNAには実に14.5ゲーム差をつけるなど圧倒的な力の差を見せつけセ・リーグを制した。しかし広島が唯一勝ち越せなかったのがDeNAだった。CS進出を決めた直後、ラミレス監督はファンにこう宣言した。
【激闘クライマックスシリーズ】
広島とのクライマックスシリーズ、新聞各紙を賑わせたのはラミレス監督の采配だった。最大のポイントはどこにあったのか?野球解説者の槙原寛己はこう分析する。注目したのはDeNAが通算成績1勝2敗で臨んだ第3戦、6回ウラの継投。1対0、無失点の好投を続けていた先発・井納を早々に交代。中継ぎのエース・三上をマウンドに送る。そして、広島の4番・バティスタを手堅く抑え2アウトに。すると、なんと中継ぎのエースを打者1人で交代。このイニング、監督のラミレスは打者1人に対し、投手1人という小刻みな継投策を展開。積極的な投手リレーでピンチを乗り切り見事完封勝利を収めた。一方、前・DeNA監督の中畑は槙原とは違った視点でこう分析した。中畑がカギにあげた試合は、積極的な継投を試みた前日の試合。0勝2敗と苦しくなった第2戦。この試合に先発したのはルーキー・浜口。6回まで2失点と好投を続けていたが、この時点で球数は100球を超えていた。通常なら変えてもおかしくない場面。しかしラミレス監督は、このプレッシャーのかかる大舞台でも浜口の調子のよさを見抜き7回も続投を決断。この回も抑え、見事勝利を掴んだ。我慢の継投も積極的な継投も使い分けるラミレス采配は、広島の緒方監督も驚くほどだった。そして、DeNAが日本シリーズ進出に王手を掛けて迎えた第5戦。決めたのはやはりこの男だった。キャプテン筒香嘉智。5回、バックスクリーンに叩き込むと、圧巻の2打席連続ホームラン。長きにわたり、弱小球団のレッテルを貼られてきたベイスターズが19年ぶりに日本シリーズへ。下剋上はこうして成し遂げられた。
日本一を目指し、横浜DeNAベイスターズは日本シリーズに挑む。対するは史上最強の呼び声高いソフトバンクホークス。果たして、どんなドラマが待ち受けているのか。
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