バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #584 2017.9.2 O.A.

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世界で活躍する10代アスリート
3年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック。その主役となるアスリートたちが次々活躍。2020年に向け期待は大きく膨らんでいる。中でも注目は3年後に絶頂期を迎えるであろう3人の10代のアスリートたち。
【卓球・張本智和(14)】
今や代名詞にもなった雄叫び。彼こそ卓球界で大注目の10代アスリート。張本智和(14)。2017年6月に行われた世界選手権で、史上最年少14歳でベスト8に進出。100年に1人の逸材と讃えられた。中学生にして3年後のメダル候補として世界に注目されている。しかし、ひとたびコートを離れると14歳らしい素顔を覗かせる。そんな彼の強さの礎となったもの。それは両親の驚くべき指導法だった。
宮城県・仙台市内にある両親が経営する卓球場。張本はここでコーチの父・ユさん、そして元中国代表の母・リンさんに2歳から英才教育を受けた。あまりの厳しさに泣きだすことも。練習は夕方4時から夜9時まで。技術面は父が指導。夕食は母が用意するコンビニ弁当などを卓球場の控え室で手早く済ませ、すぐに練習を再開。中国でプロ選手として活躍した父が放つトップレベルの球を打ち続け、幼い頃から高い技術を体にたたき込まれた。しかし父の卓球指導に妥協という文字は存在しない。その一方で、張本は母からもあることを厳しく指導されている。それは文武両道。かつて中国代表として世界で活躍した母・リンさんは、現役時代にケガや年齢を理由にアスリートの道を外れ、挫折していく仲間を何人も目の当たりにしてきた。いつか息子も卓球選手でなくなる時が必ず来る。そんな時、絶対に道を踏み外して欲しくない。そんな思いで母は息子に小学1年生から学習塾に週2回、英語塾に週1回通わせ、その上、毎朝30分学校の勉強の予習を課した。2017年、世界選手権でベスト8入りし、日本中に張本の名が轟いた時ですら、母は息子に「良かったね。ところで今日は勉強しましたか?」と声をかけた。そんな微塵もブレない両親の下、努力を積み重ねてきた張本少年は2017年6月、世界選手権で日本のエース・水谷準を圧倒。見事勝利し世間を驚かせた。更に2017年8月、世界のトップが集うワールドツアー・チェコオープンで決勝に進出。決勝戦の相手は五輪で3大会連続メダルを獲得したドイツのボル。この大舞台で張本は22歳年上の強豪を圧倒。そして見事ワールドツアー最年少優勝を飾った。3年後、張本はまだ17歳。妥協なき両親の指導でどんな進化を遂げるのか?期待は止まる所を知らない。
【水泳・池江璃花子(17)】
2017年4月、日本の競泳界に新たな伝説が生まれた。日本のトップが集う大会で16歳の女子高生が史上初の5冠を達成。前代未聞のこの快挙をなし遂げたのが、高校2年生の池江璃花子。池江は中学3年生の時、100mバタフライで初めて日本記録を更新。以来、毎月のように記録を塗り替え続ける、まさにスーパー女子高生だ。彼女の自宅を訪ねると玄関にはこれまで打ち立てた日本新記録の賞状がずらり。その数なんと24枚。しかもバタフライに止まらず、自由形など異なる種目にもまたがって、これほど新記録を出し続けている選手はほとんどいない。類まれな運動能力。そんな池江の才能が花開いた秘密は母・美由紀さんの独特な指導法に隠されているという。美由紀さんの仕事は主に幼児を対象とした脳や体の能力を引き出す教室の講師。その美由紀さんが運動能力を引き出すのに最も効果的だと考えているのが、うんてい。幼児にとって握るという動作が、その後の運動能力の発達に大きく影響するという。母は娘が生後6か月の時に実践した。立つことも覚束ない時期に、母は自分の指を握らせることを繰り返した。すると驚くことになんと1歳6か月で逆上がりが出来るようになり、水泳を初めてわずか2年目の5歳の時には、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロールと全ての泳ぎ方をマスター。信じられない驚異の進化を見せた。これを見た母は自宅を改築する際、小学生の娘のためにリビングに、うんていを設置。この運動を毎日楽しく続けることを娘の日課にした。するとそれは更なる運動能力を引き出すことに加え、思わぬ効果をもたらした。肩甲骨周辺の筋肉の柔軟性が増し、肩の可動域が広がり、ストロークが大きくなった。その変化が泳ぐ際の力強い推進力を生み出していたのだ。
2017年8月、アメリカで行われた世界ジュニア選手権。池江はここでもまた新たな記録を打ち立てた。50mバタフライの決勝。第4レーンの池江は肩の柔らかさを生かしたダイナミックなフォームでリードを広げ、そのまま1着でゴール。優勝した上に自身の記録を0.04秒更新。またも日本新記録を樹立した。母が引き出した潜在能力をたゆまぬ努力で育み、日本競泳界を担う存在に成長した。
【サーフィン・五十嵐カノア(19)】
高さ5メートルを越す大波を見事な技で華麗に乗りこなす少年。彼こそ10代ながら世界の舞台で活躍する天才サーファー・五十嵐カノア(19)。幼い頃から注目されていた五十嵐は、2016年から世界のトップ48名しか出場できないワールド・チャンピオンシップツアーに日本人初、更に史上最年少の18歳で参戦。世界最高峰の舞台で戦い続けている。そんな五十嵐を支えているのが家族。父・勉さん(53)。母・美佐子さん(53)。プロサーファーの弟・キアヌ君と一家は現在カリフォルニアに在住。1年の大半を遠征で過ごす息子に家族も帯同し、栄養面を始め、様々な面でサポートしているという。忙しい仕事の合間をぬい、練習にも出来るだけ同行。毎回カメラで撮影し、息子のフォームを長年チェックしている。実は両親とも元プロサーファー。ワールド・チャンピオンシップツアーは、夢だったが出場することは一度も出来なかった。夢を託そうと3歳から息子を海に連れ出し、サーフボードに乗せた。すると驚くことが起きたという。そんな両親の期待を背に波にもまれ続けた少年の才能は一気に開花。各世代の大会で14歳の時にU-18の大会で最年少優勝を果たす。そして2017年8月、世界最大の国際大会、USオープンに出場し、両親の前で決勝に進出。この大会史上最高得点で初優勝。日本人初という快挙をなし遂げた。次なる目標は3年後の東京五輪で新種目に採用されたサーフィンで世界の頂点に立つこと。
10代で世界の頂点を極めた天才たち。その才能を引き出した家族と共に2020年、東京五輪の舞台で彼らが勝利のストーリーをつむぎだすことを期待する。
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