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BACK NUMBER #566 2017.4.15 O.A.

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浅田真央 現役引退 挑戦し続けたスケート人生
彼女のスケート人生は栄光と共に涙にも彩られてきた。誰よりも味わった悔しさ。自信を失いかけたことも何度もあった。それでも彼女は、挑戦を続け、世界を震わせた魂の演技。
「何も悔いはない」
引退会見でそう言い切った彼女の目には涙が滲んでいた。栄光と挫折、21年間の戦いの軌跡。その笑顔に隠された浅田真央の真実に迫る。
2017年4月12日。国民的ヒロインの引退会見を日本中が固唾を飲んで見守った。浅田真央(26)。21年の現役生活に幕を下ろした。5歳から始めた彼女のスケート人生は、常に挑戦の連続だった。幼い頃から夢見た五輪、代名詞にもなったトリプルアクセル。逃げ出したくなる現実からも決して目を逸らさず前を向き続けた。彼女のスケート人生は涙と共に刻まれていた。
<浅田真央の挑戦…ライバルとの激闘>
12年前の2005年。それは当時15歳だった浅田の、その後の運命を決めた年だった。世界上位の6人が競う、シニアのグランプリファイナルで、浅田は満面の笑顔で華麗な演技を見せる。当時の世界女王をやぶり、中学生にして世界一の座に輝いた。その直後、ジュニアの世界選手権に出場。誰もが金メダルを疑わなかった。しかし、結果はまさかの2位。その時、表彰台の真ん中に立っていたのは、永遠のライバル、同い年のキム・ヨナ。以降、2人は激闘を繰り広げた。2006年から浅田は、グランプリファイナルで2年連続銀メダル。キム・ヨナにトップを譲ったが、2008年には、3シーズンぶりに女王の座を奪い返し、2度目の世界一に輝いた。そして19歳で金メダル最有力といわれ、出場したのが、バンクーバー五輪だった。しかし、キム・ヨナに敗れ銀メダル。夢にまでに見た五輪の金メダルを手にすることができず、こみ上げる思いを抑えきれなかった。それでも浅田が下を向くことはなかった。バンクーバー五輪の直後、悔しさを胸に浅田は世界選手権でキム・ヨナに挑んだ。ショートプログラムでは、ほぼノーミスの完璧な演技を見せ、さらにフリーでも、五輪でミスしたジャンプも見事に決め、華麗なステップで観客を魅了する。ショートプログラムに続き、ほぼノーミス。通算6勝9敗。ライバル、キム・ヨナの存在は、浅田の競技人生に大きな意味を持っていた。
<浅田真央の挑戦…ソチ五輪“奇跡のフリー”>
2014年、ソチ五輪で見せた浅田の演技は、観るものの心を震わせた。前日のショートプログラムでミスが重なり、まさかの16位。メダル獲得は絶望的に…。それは、目を背けたくなるような現実だった。夢だった五輪の金メダルには、もう届かない。そんな絶望の淵に浅田はいた。しかし、彼女は目を背けてなどいなかった。メダル絶望となった22時間後、浅田はリンクに立ち、そしてあの軌跡の演技が始まった。3回転ジャンプを全種類跳ぶという、最高難度のプログラムをやり遂げた。そんな浅田の姿は見る者すべてに感動を与えた。
<浅田真央の挑戦…トリプルアクセル>
浅田にとって、幼い頃から跳び続けたトリプルアクセルは、彼女の人生そのものと言っても過言ではない。それは最大の武器であり、同時に諸刃の剣でもあった。復帰2年目、26歳になるシーズンは、その大技が浅田を追い詰めていた。1年のブランクがある上に左ひざをケガ。大技など出来る状態ではなかった。トリプルアクセルは、踏み切る時、左ひざに大きな負荷がかかる。ケガは幼い頃からこの技に挑み続けたことの負の遺産だった。痛みは一向に改善せずトリプルアクセルは封印せざるを得なかった。すると試合を重ねるごとに思うような成績を残せず、苦しい戦いが続いた。浅田は全日本選手権の直前、1週間もの休暇取った。ひざを休め、プログラムにあの大技を取り入れるためだった。トリプルアクセル。浅田は、自分の代名詞であるこの技を、全日本選手権で絶対に成功させると心に決めていた。迎えた全日本選手権ショートプログラム。約8か月ぶりに挑んだトリプルアクセルは、1回転半に終わった。他のミスなく決めたが8位と出遅れた。翌日のフリー、浅田はトリプルアクセルが成功する確率は極めて低いと分かっていた。だがそれでも挑戦すると決めていた。しかし今回も回転不足で転倒。決めることは出来なかった。さらに結果は、この大会自己ワーストとの12位に終わった。わずかな可能性を最後まで信じ、挑み続けたトリプルアクセル。そんな浅田の姿はすべての人の心に焼き付いていた。
五輪の金メダルを夢見て、どんな困難にも立ち向かってきた浅田真央。多くの感動と勇気を与えてくれた彼女に感謝の言葉を贈りたい。
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