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BACK NUMBER #561 2017.3.11 O.A.

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世界一奪還へ 第1次ラウンドで見えた課題と収穫
WBC世界一奪還へ。2次ラウンドへ駒を進めた侍ジャパン。その戦いの舞台裏をカメラがとらえていた。初戦、円陣で声出しをしたのは、2016年にブレイクした「神ってる男」鈴木誠也(23)。激闘の火蓋が切られた。初戦、2戦目と先発投手が試合を作る。初戦は石川、そして2戦目は菅野。しかし、継投への不安は解消できたとはいえない。第2回大会、原辰徳と共に、世界一に輝いた投手コーチが侍ジャパンに提言。1次ラウンドを戦い終えて見えてきた、世界一への収穫と課題。その全容に迫る。
第1回大会で世界一のキャッチャーと称賛された里崎智也は、これから勝ち抜いて行くためには、先発の出来が鍵を握るという。一方、第2回大会の投手コーチを務めた山田久志は、継投策に大きな課題があると見ていた。まずはキューバ戦。山田が指摘したのは、2番手でマウンドに上がった則本昴大(26)。2−1と1点リードで迎えた5回表、則本は相手の攻撃を3人でピシャリと封じる。するとその裏、打線が猛攻を見せ7−1とリード広げた。そして7回、則本の3イニング目に、落とし穴があったと山田は指摘する。
<世界一への課題①「最小限で失点を食い止める」>
5回、6回と完璧なピッチングを続けていた則本が一変する。迎えた先頭バッターは、4番・デスパイネ。ホームランを打たれると、続く5番バッターにはセンター前ヒット。さらに6番には、センターオーバーの長打を浴び大ピンチに。たまらず権藤投手コーチがマウンドに向かう。交代かと思われたが、ベンチが下した決断は則本の続投だった。しかしその後、タイムリーヒットを浴び7−4と3点差に。それでもベンチは動かない。一体なぜなのか?続くバッターは7番・ベニテス。ダブルプレーでなんとか切り抜けた。しかし、センター前に抜けていれば、確実に流れが変わっていた。この継投に山田は、点差があったからこその続投。ピンチを事前に大きくしないというのが国際大会のポイント。いろんなボールを打たれだしたので、ピッチャーは不安な状態になる。則本をこれからどういう場面で使えばよいか不安が残るのではないかと分析した。
<世界一への課題②「勝利の方程式の確立」>
開幕直前、小久保監督は守護神候補として秋吉亮(27)の名前をあげていた。しかし、秋吉はクローザーとして使われなかった。キューバ戦、9−4と5点リードで迎えた8回表、小久保監督がマウンドに上げたのは平野佳寿(33)だった。しかし1アウトからフォアボール。続く4番・デスパイネにヒットを打たれ、1アウト、1塁2塁に。5番バッターはショートゴロに打ち取ったが、2アウト、2塁3塁のピンチを迎えた。すると権藤コーチがマウンドへ。ベンチは平野を交代させリリーフ投手を送る。ここで指名されたのは、クローザー第1候補に名前があがっていた秋吉だった。イニングの途中でピッチャー交代。しかも登場したのはクローザー候補。この試合の解説を務めていた2009年のWBC優勝監督・原辰徳も、この交代に驚きを隠せなかった。球場全体に不穏な空気が漂う中、タイムリーを浴び5点差が3点差に。これを見た山田は、抑えを誰にするかを決めるのが野球の鉄則だと提言した。続く9回、ベンチは秋吉を交代させ、牧田和久(32)をマウンドに送る。勝利の方程式をどう確立するのか?それが重要だと原も言う。
<世界一への収穫①「先発投手の安定感」>
初戦、先発は石川歩(28)。続く2戦目は菅野智之(27)。先発の2人は共に1失点に抑える好投、安定感を見せた。石川は4回を投げ、打たれたヒットは2本。菅野は5回途中まで投げ、ヒット4本。特にアウトコースギリギリをしっかり狙い、カウントを稼ぐシーンが目立った。これはアメリカの主審の癖を強く意識したものだと山田は言う。
<世界一への収穫②「バッテリー間の信頼」>
2戦目のオーストラリア戦で直面した最大のピンチ。エース菅野が球数制限を迎え、交代せざるを得なくなった直後のことだった。1−1の同点、1アウト、1塁2塁でマウンドに上がったのは岡田俊哉(25)。一打逆転のピンチ。無意識の内に力が入る。その後もコントロールが定まらずストライクが取れない。4球連続ボールで1アウト、満塁の大ピンチ。さらに続くバッターへの初球も大きく外れボール。2球目もボール。すると、キャッチャーの小林が動いた。小林が岡田にかけた言葉とは…
「自信を持ってど真ん中に投げてこい」
この言葉で、落ち着きを取り戻した岡田は、ダブルプレーで絶体絶命のピンチを乗り切った。第1回大会で捕手と務めた里崎は、小林の声かけのタイミングが絶妙だったという。オーストラリア戦では他にも収穫が。3番手で登板した千賀の圧巻のピッチング。4つの三振を奪う見事な投球。これを見た山田は、守護神に使っても面白い存在だという。

キューバ戦では6人。オーストラリア戦では5人の投手を使った侍ジャパン。果たして2次ラウンド以降でどんな起用が見られるのか。今後の采配が注目される。
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