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BACK NUMBER #552 2016.12.24 O.A.

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K−1・PRIDEの2大カリスマ 魔裟斗×五味隆典
魔裟斗(37)。大晦日、再びリングへ。2015年、山本“KID”徳郁と対戦。「最初で最後」と宣言していたはずだった。その魔裟斗が、再び戦う事を決意した理由。それは、あの男との対戦が実現したこと。かつて、ライバル団体のエースとして、格闘技ファンの人気を二分した五味隆典。同学年で常に比較され続けた両雄がついに激突。火花散る2人の因縁の舞台裏に密着した。
2015年大晦日、現役引退から6年ぶりにリングに上がった魔裟斗。その対戦相手は、かつてのライバル、山本“KID”徳郁だった。6年ものブランク、さらに相手は現役選手。魔裟斗の苦戦が予想されていたが、ラウンドを重ねる毎に、男は姿を取り戻して行った。そして、2ラウンドにはダウンを奪い、獲物を追い詰めるかのような怒涛の攻撃を見せつけ、現役ファイターのKIDを相手に大差の判定勝ち。魔裟斗が36歳という年齢をかえりみず、リングに上がったのは理由があった。K−1ファイターだった現役時代にはまだ生まれていなかった娘たちに、自らの勇姿を見せたい。そんな思いで「最初で最後」と固く誓い、挑んだ試合だった。しかし、あの激闘を戦い抜いたことが、魔裟斗にある変化をもたらした。
2016年夏、魔裟斗は大晦日以来、8か月ぶりにジムを訪れた。実はこのとき、今後試合をするのかどうか明確には何も決まっていなかった。KIDと戦い終えたときに感じた胸の奥に湧き上がる格闘技への熱い思い。ただそれだけが、魔裟斗のからだを突き動かしていた。日常生活では味わえない充実感。しかし格闘技は自分1人でそれを追い求められるものではない。秋、そんな魔裟斗に思いも寄らないオファーが届いた。その相手はなんと因縁の男だった。2000年代、空前の格闘技ブームを巻き起こしたK−1。魔裟斗が君臨したその舞台は、パンチ、キックなど打撃系の立ち技のみで戦う。その一方で、当時、K−1と人気を二分していた総合格闘技、PRIDE。総合格闘技は、打撃技に加え、投げ技、関節技、寝技、絞め技とまさになんでもあり。K−1とは違う魅力を展開していた。そのPRIDEで君臨していたのが、野獣のごとく本能のままに戦うカリスマファイター・五味隆典だった。ライバル団体のエース同士だったため、当時は対戦するなど考えられなかったが、なんとその五味が、魔裟斗との対決をオファーしてきたのだ。実は2人は同学年。現役時代、魔裟斗は五味の存在を常に意識していたという。五味との対決のため準備を始めた魔裟斗は、順調にトレーニングを積み、今年初のスパーリングに挑んだ。相手は現役ファイター。しかし、終始、魔裟斗が圧倒。確かな手応えを感じていた。37歳、魔裟斗の肉体を戦う男の魂がより充実させていた。しかし、壁は突然立ちはだかった。それは、大晦日までに残りわずか、五味対策のスパーリングを行っていた最中に起きた。相手は、五味と同様、普段から打撃以外の技も使って戦う総合格闘家。すると、これまで順調に来ていたはずの魔裟斗のパンチが全くヒットしない。魔裟斗は戸惑いを隠せなかった。かつてのライバル団体PRIDEのエースに元K−1ファイターとして負ける訳にはいかない。練習は激しさを増した。
一方、魔裟斗と戦う五味は、38歳の今もなお、現役の総合格闘家として第一戦で活躍している。五味の名を一躍、世に轟かせたのは、2004年から参戦した総合格闘技PRIDE。デビューから怒涛の10連勝を飾り、野獣のようなプレースタイルでファンを魅了。圧倒的な強さで、瞬く間にPRIDEの頂点に上り詰めた五味は、2000年代に巻き起こった空前の格闘技ブームの紛れもない主役の1人だった。2010年から現在に至るまで、世界最高峰のアメリカの総合格闘団体で戦い続けている五味は、打倒・魔裟斗の思いを秘め、地元の公園でトレーニングを続けていた。トレーニングにマシーンは一切使わない。その姿はまるで昭和の格闘家だ。活動の場を海外へ移し約7年。魔裟斗との対決は、世界で戦う五味にとって、たった1つ日本でやり残したことだという。総合格闘技こそ最強。その持論を自ら証明するためにも、日本のリングに上がることを決めた。今回の対戦は、K−1ルールで行われる。打撃系の立ち技だけに限られるのは、五味にとって初めてのことだ。そのため、ボクシングジムに通いつめ、感覚を研ぎ澄まそうと練習を続けた。大晦日が目前に迫ったこの日、ここまでの成果を試すスパーリングを行った。相手は体重90キロを超す巨漢ボクサー。魔裟斗のパワーを想定し、力負けしないよう選んだ相手だ。さらに目隠しをし、鈴の音だけを頼りに行うスパーリングも行った。そこには、五味ならでは戦う男としてのこだわりがあった。魔裟斗との戦いは壮絶な死闘になる。それでも勝ち抜くための方法を五味は必至に探っている。
自らが最も輝くリングに戻ると決意した37歳の魔裟斗。総合格闘家のプライドをかけて戦う38歳の五味隆典。2016年の大晦日はこの2人の戦いから目が離せない。
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