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BACK NUMBER #523 2016.5.28 O.A.

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リオ五輪に向けた最終決戦!日本バレー界の救世主 石川祐希
長年不振に喘いできた日本男子バレー界に救世主が現れた。日本が生んだ史上最高の逸材、石川祐希(20)。世界の度肝を抜いた石川の驚異のテクニック。悲願の五輪出場を懸けた戦いはこの男にかかっているといっても過言ではない。しかし、大会直前、思いもよらぬ悲劇が彼を襲った。日本男子バレーの未来を担う20歳の若者の素顔と知られざる苦悩の日々を追った。
2015年9月に開催されたW杯バレー。リオ五輪の出場権もかかる、全日本男子にとって重要な大会。その初戦、日本での開催にも関わらず会場には空席が目立っていた。しかし大会終盤その状況は一変する。溢れんばかりのファンで埋め尽くされた会場。その歓声を一身に浴びる男こそ石川祐希。彼はこのときチーム最年少19歳。しかも全日本に入ってわずか1年、この大会が本格的な世界デビューだった。しかしそんな石川のプレーに誰もが釘付けとなった。相手コートに突き刺さる豪快なスパイク、さらにジャンプサーブ。石川の獅子奮迅の活躍で、日本はカナダやオーストラリアといった格上にも勝利。そんな石川見たさに会場にファンが殺到。彗星のごとく現れた弱冠19歳のシンデレラボーイ石川。彼の活躍で、この大会、全日本は試合前の予想を大きく上回る6位。リオ五輪の出場権こそ世界最終予選へ持ち越されたが、石川の名は世界のバレー関係者に衝撃を持って伝えられた。石川はこのW杯で世界第6位となる188得点をマーク。中でも特筆すべきはスパイク決定率。なんと世界4位の55.8%という数字をたたき出した。しかし身長191cmと世界的には小柄な部類に入る石川のスパイクは、なぜ2mを越す世界の強豪相手に太刀打ちできるのか?その鍵は、彼の2つの身体的特徴にある。まず1つはジャンプ力。石川の最高到達点は3m45cmと世界のトップ選手に引けを取らない打点の高さを誇る。さらに滞空時間の長さを活かし、相手のブロックをしっかりと見極めることができる。そして、もう1つが柔軟性。実はこれが、スパイク決定率を大きく左右する。石川は空中で相手のブロックを確認するとストレート、そしてクロスと一瞬にしてコースを打ち分けている。その際石川は、持ち前の肩関節の柔軟性を活かし、肩をひねるだけでコース打ち分ける。そのため相手ブロッカーは的を絞ることが出来ない。紛れもなく世界トップクラスの技術。
類まれな才能に加えアイドル顔負けの爽やかなルックス。W杯後、人気に火がついた石川は、バレーの専門誌やスポーツ雑誌の枠を超え、女性誌などでも特集が組まれるほど。さらに昨年発売された写真集はオリコンランキングで1位を獲得。現在、中央大学バレー部に在籍する石川。これまで、ほとんど観客など訪れなかった大学リーグの試合にも、数千人を超す多くのファンが押し寄せる。この1年で石川を取り巻く環境は、目まぐるしく変わっていた。人気と実力を兼ね備え、今や日本男子バレー史上最高の逸材と言われる。そんな彼のバレー人生はまさに栄光に彩られたものだった。石川がバレーを始めたのは小学校4年生の時。その才能はすぐに花開き、中学3年の全国大会で優秀選手に選出されると高校はバレーの名門・地元愛知の星城高校に進学。そこでも石川は1年生からエースとして活躍。同世代の選手との格の違いをまざまざと見せつけ、チームを2年連続で高校三冠に導いた。そして2014年、中央大学に進学した石川は、その年の9月、韓国で開かれたアジア大会でついに全日本デビュー。すると思い切りのいいスパイクを次々と決め、日本をアジア大会準優勝へと導いた。
目指すは2年後に控えたリオ五輪。そのため石川は、さらなるスキルアップを目指し、2015年12月、世界最高峰リーグのイタリア・セリエAへ海外留学。ブラジル代表セッター、ブルーノ・レゼンテを始め、世界を代表するバレー界のスーパースターが集うチームで3か月間汗を流し、技術やバレー理論を徹底的に身体に染み込ませた。
そして2015年に行われたW杯でその進化を見せつけた石川は、全日本男子にとって北京以来2大会ぶりとなるリオ五輪出場に必要不可欠の存在となっていた。弱冠20歳の石川の肩に日本バレーの将来がかかる。
リオ五輪世界最終予選2か月前の3月、全日本男子の強化合宿。キャプテンの清水を始め、主力メンバーが練習を行う中、石川はコートを外れ別メニューを行っていた。実はこのとき、左膝に炎症を起こし、ジャンプを伴う練習を全て禁じられていた。高校卒業後、大学のリーグ戦に加え、全日本でも合宿や遠征などで世界を転戦し続けた石川は、これまで経験したことのないハードスケジュールの中、スパイクを打ち続けてきた。その負荷を受け続けた左膝が、ついに悲鳴を上げたのだ。過去大きな怪我をしたことのない石川にとって、初めての経験だった。最終予選まであと2か月。本来ならセッターとのコンビネーションを徹底して合わせて行かねばならない重要な時期。リオの最後の切符を争う5月の予選に自分は間に合うのか?言い知れぬ不安を抱えながらも、石川はリハビリを続けることしか出来なかった。それから2週間。石川はようやくスパイク練習を再開。まだ8割ほどの力ではあるものの、キレのあるスパイクを何本も打ちこんでいた。さらにその後、実戦練習にも参加。エースの順調な回復ぶりに南部監督も胸を撫でおろしていた。そして五輪世界最終予選まで1か月を切った5月6日。アメリカ代表との親善試合が行われた。世界ランキング5位、すでにリオ五輪出場が決まっている格上の相手に石川はどんなプレーを見せるのか。試合が進むにつれ調子を上げていく石川。そしてブロックの空いたクロスへ豪快にスパイクを叩き込んだ。その後も、思い切りのいいスパイクを幾度となく決める。結局石川は、チーム最多の16点を挙げ、チームも格上アメリカに3−1と勝利。ケガの不安を吹き飛ばす最高の結果を残した。
2大会ぶりのオリンピックへ。日本中の期待を胸に、今夜、開幕する世界最終予選。コートで躍動する石川の勇姿から目が離せない。
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