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BACK NUMBER #522 2016.5.21 O.A.

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眞鍋ジャパン 激闘の舞台裏
リオへの切符をかけ、激闘の日々を繰り広げている全日本女子バレー。そのチームを率い、鼓舞し続ける監督が、眞鍋政義(52)。ロンドン五輪以降、竹下ら主力の半分が抜けたチームを一から建て直し、金メダルを目指す。しかし、予選直前に明かした知られざる苦悩。そして、日の丸を背負い、戦う選手たちが起こした奇跡の勝利。日本中の魂を震わせる激闘の舞台裏を追った。
今年1月、眞鍋は、必勝祈願のために神社を訪れた。全日本を率いて8度目の正月を迎えた4か月後には、リオ五輪出場をかけた世界最終予選がある。眞鍋ジャパンに寄せる国民の期待は、大きく膨らんでいた。4年前のロンドン五輪。28年ぶりのメダル獲得に日本中が歓喜に包まれた。日本の強いバレー復活。その欠かせない原動力の1つとして眞鍋が導入したものがある。世界に先駆け、iPadを取り入れた最新のデータバレー。コート内の選手のプレーをアナリストと呼ばれるスタッフが瞬時にデータ化。時間差なく、眞鍋のiPadに送られる。刻々と変動する数値を元に、眞鍋が作戦を決め選手に指示をする。データは、従来も活用されていたが、伝達手段は紙、遅れも少なくなかった。そんな課題を解消したのがiPad。ゲーム展開を世界一と呼び声が高い分析スタッフが素早く正確に入力。更にポジション毎の担当コーチなど、10人近くのスタッフからの情報も集約。こうした高度なデータバレーが眞鍋ジャパンを支え、女子バレー復活に繋がったと言われている。ロンドンでの実績で、次のリオ五輪も託されることとなった眞鍋。しかし、銅メダルのチームを支えた選手は、相次ぎ引退。リオを目指すチームを一から作り直さなければならない。ロンドン五輪からわずか5か月後、眞鍋は、ある場所に向かった。そこはトルコ。新チームの大黒柱となるキャプテンを木村沙織に要請するためだった。このとき木村は、トルコリーグで海岸武者修行中だった。これからの全日本を支えるのは木村しかいない。そう考えてのことだった。このとき26歳だった木村も金メダルを目指す眞鍋の熱意に打たれ、キャプテン就任を受諾。これが新生眞鍋ジャパンの第一歩となった。リオに向け、どんなチームを作るのか?眞鍋は精力的に動いた。Vリーグの試合を視察し、全日本を担う新たな才能を発掘しなければならない。その足は、海外で活躍する選手のもとへも隈なく及んでいた。ロンドン五輪から10か月。新生眞鍋ジャパン代表候補の発表に誰もが驚いた。集められた候補は、なんと過去最高の46名。しかもこのとき、高校2年生だった古賀紗理那やVリーグ1年目の佐藤あり紗など、実に半数が代表未経験。平均年齢22歳と大胆な世代交代を断行した。それは、決して甘い道のりではなかった。新体制発足から1年後に迎えた世界バレーで、眞鍋は若手を積極的に起用した。しかし、勝負所で手痛いミスを連発。前回3位となり五輪への弾みとなったこの大会で、決勝トーナメントにすら進めなかった。さらに去年のW杯でも5位に終わってしまう。この間、若手の成長は垣間見えた。サウスポーのアタッカー長岡望悠や18歳の古賀が世界を相手に力を見せた。しかし、強豪国が集う、五輪最終予選を勝ち抜くには、チームに化学反応を起こす選手が絶対に必要だと眞鍋は考えていた。そして、2か月後にその戦いを控え、眞鍋は最後の切り札を切った。全日本元キャプテン・荒木絵里佳(31)を新たに代表に招集。ロンドン五輪後、結婚し一児の母となっていたが、2014年に現役復帰。31歳という年齢に代表入りを不安視する声も少なくなかった。しかし眞鍋は、迷うことなく荒木を呼んだ。その思惑は的中した。誰よりも声を出し、常に全力でプレーする荒木の姿は、若いチームに足りなかったものをプラスした。荒木の加入から1か月。眞鍋ジャパンは確実に変わり始めた。若い力とベテランの融合。これが眞鍋のいう化学反応だった。さらに、データバレーの面でも大きな変化があった。これまでより、データ処理能力がアップしたiPadを導入。数字だけでなく、数秒遅れで目の前の試合映像が眞鍋のもとで見ることが出来る独自システムを開発した。
5月14日、世界最終予選が開幕。参加8か国中アジア1位になるか、それを除く上位3位以内に入れば、リオ五輪への切符を手にすることができる。初戦のペルーとの戦い。全日本はサウスポーの長岡が1人で20得点をあげる大活躍。さらにベテラン荒木のブロックも冴え、勝利。続く2戦目。その9時間前のミーティング撮影が特別に許可された。相手はアジアNo.1の高さを誇るカザフスタン。眞鍋は選手たちにこんな指示を出した。高さに勝るカザフスタンをサーブで崩す。そしてその狙いは試合序盤からはっきりと現れた。計算しつくしたサーブで揺さぶり続ける。その後も握った主導権を離さず、カザフスタンを終始圧倒。ストレート勝ちで開幕2連勝を飾った。そして、5月18日、2勝1敗で迎えたタイとの一戦は、大波乱の展開となった。初の五輪出場に執念を燃やすタイの勢いに押され、全日本は第1セットを奪われてしまう。続く第2セットは全日本が取り返した。その後、両者一歩も譲らず、試合は15点先取のファイナルセットへ。しかし、12-6と崖っぷちに。しかし、諦める者など誰一人いなかった。その後、日本は怒涛の8連続ポイント。14-13とついに逆転しマッチポイントを握る。絶対に諦めない。日本のバレー史に残る激闘を制し、眞鍋ジャパンは、奇跡の大逆転勝利を飾った。
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