バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #517 2016.4.9 O.A.

バックナンバー
女子柔道48kg級 浅見八瑠奈 五輪代表を目指す戦い
柔道王国日本。これまで、日本が五輪で獲得したメダルの数は72個。2位に圧倒的な大差をつけ堂々1位に君臨している。そんな柔道界で、特にメダル獲得が至上命題となっている階級。それは谷亮子がいた女子48kg級。谷は、金メダルを2個含む5つのメダルを獲得。この偉大なる先人が、日本にとって女子48kg級を特別なものにしたと言っても過言ではない。その階級で谷亮子の後継者と言われた一人の選手がいる。浅見八瑠奈(27)。普段は誰からも愛される人懐っこいキャラクターだが、試合になれば表情は一変。闘志むきだしで相手に挑む。谷亮子以来の48kg級の世界選手権2連覇を達成。外国人選手相手には、46連勝した。しかし、世界にその名を轟かせる浅見が五輪に出場したことはない。実は4年前、代表最有力と言われながら、まさかの落選。その悔しさは、今も心に刻まれている。そして、リオ五輪を目指し再び全力で挑む。今度こそ五輪の舞台へ。ポスト谷と呼ばれた女子柔道家の壮絶な戦いの日々を追った。
今から20年前のアトランタ五輪。日本中が谷亮子の戦いに熱狂した。その谷の勇姿に憧れを抱いた一人の少女が当時8歳の浅見だった。ヤワラちゃんのようになりたい。強くなって五輪に絶対に出る。浅見の夢は五輪出場となった。中学・高校とメキメキと力を付け、全国大会の常連に。大学では、国際大会で何度も優勝を飾った。浅見は、柔道家にとって必要な要素をすべて超一流のレベルで持っていた。鋭い背負い投げ。体落とし。足技。その上、巧みな寝技も持つ、まさに柔道のオールラウンダーだ。そんな浅見が2010年、22歳で初めて世界選手権に出場。この大会には、ある特別な思いを胸に挑んでいた。この年、長年48kg級を牽引してきた谷亮子が現役を引退。谷に憧れ続けた浅見は、その後継者になるべく燃えていた。初出場ながら、全て一本勝ちで準決勝へ。相手は北京五輪で谷亮子をやぶり、金メダルを獲得したルーマニアのドゥミトル。試合は浅見の見事一本勝ち。憧れの谷をやぶった金メダリストに勝利した。決勝では、3つ年上の福見友子を判定でやぶり優勝、22歳で世界の頂点に立った浅見は、一躍ポスト谷として注目された。さらに翌2011年の世界選手権でも優勝。谷亮子以来の48kg級2連覇を達成。浅見のロンドン五輪の日本代表の最有力候補となった。そして迎えた最終選考会で、まさかの出来事が起こる。なんと浅見が1回戦で敗退。さすがに最終選考会でこの成績ではロンドン代表には選ばれずポスト谷と認められた最有力候補は落選となった。五輪という夢から一転、どん底に突然突き落とされた。何も考えられなかった。そんな中、それから3日後、1枚の写真が目に飛び込んできた。そこには、自分が負けたときの地元の子どもたちの呆然とした表情が映し出されていた。みんなを悲しませたまま終わることはできない。浅見は、4年後のリオデジャネイロに向け再び走り始めた。そんな浅見を家族も応援していた。父の三喜夫さんは柔道家。浅見は高校時代、父が指導する高校で汗を流した。浅見にとって厳しかった恩師でもある。父は娘の挑戦を心から応援していた。
4月3日、リオへの切符がかかる48kg級、最終選考会の日がやってきた。出場選手は8人。トーナメントで争われる。浅見は第2シード。第1シードは、20歳の近藤亜美。浅見が世界ランク8位なのに対し近藤は3位。初戦の相手は、去年、浅見、近藤に次いで3位になった森?由理江(25)。序盤から浅見が積極的に仕掛けていく。しかし、徐々に相手のペースになり、残り23秒。強引に投げに行ったところを返され、有効を奪われてしまう。浅見はこの4年間の夢を叶えるため、苦難を乗り越えてきたが、その思いは届かなかった。
谷亮子に憧れ、その谷の後継者として、世界王者に上り詰めた浅見八瑠奈。4年前のどん底から、懸命に前を向き過ごしたこの時間こそ、彼女の宝物になるだろう。
[BACKNUMBER]
banner_AD
Loading…

SNS

TBSトップページサイトマップ Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.