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BACK NUMBER #445 2014.11.8 O.A.

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独占激白!髙橋大輔 20年間の苦悩と引退の真相
10月14日。日本男子フィギュア界を牽引してきた男が、引退を発表した。髙橋大輔、28歳。2010年のバンクーバー五輪で、日本男子、初のメダルとなる銅メダルを獲得。その実績もさることながら、日本男子フィギアの地位と人気を押し上げた立役者。この男がいなければ、歴史は変わらなかったかもしれない。
先週土曜日(11月1日)。その髙橋が独占インタビューに応じてくれた。引退会見後、彼がテレビのインタビューに答えるのは、初めてのことだ。しかし、笑顔とは裏腹に、髙橋の口からこれまであまり語ることのなかった本音が次々と飛び出した。日本のエースとして、戦い続けた髙橋大輔が、全てを語った。
スケートとは無縁のごく普通の家庭で生まれた彼の人生は、7歳の時、知り合いに連れてってもらったスケート場で大きく変わった。そんな髙橋の才能を見抜いたのは、中学2年で出会った、1人の女性だった。振付師兼コーチとして活躍していた長光歌子。長光は初めて彼を見た時の衝撃が、今も忘れないという。
長光「こんな感性豊かな子が日本にいるんだから、これは絶対早く世界の人に見てほしい」
髙橋「すごい楽しかったんですよ。すごい褒めてくれたんで、それが嬉しくてどんどんやろうって」
結果はすぐに現れた。中学2年、3年と全国大会を連覇。そして、長光は髙橋を本格的に育てようと、驚くべきことを実戦する。中学を卒業した髙橋を、なんと自宅に下宿させたのだ。コーチとして、時にもう1人の母として、引退するまでの14年もの間、長光は献身的に支えてきた。
今でこそ、絶大な人気を誇る男子フィギアスケートだが、一昔前までは、フィギアといえば、女子にしか注目が集まらない競技だった。だんしは女子が放つ光の影に過ぎなかった。そんな状況を一気に変えたのは、紛れもなく髙橋だった。髙橋が初めて五輪の代表に選ばれたのは、8年前のトリノ五輪。しかし、当時の話題は、女子一色。髙橋に関する記事は小さなスペースしか割かれていない。そして迎えたトリノ五輪では、荒川静香が、日本フィギア界悲願の金メダルを獲得。一方、男子唯一の出場で、8位。大きく水をあけられていた。
結果を出すしかない。そう心に誓った髙橋は、五輪後の大会で、何度も表彰台に上がる。そして2010年、荒川の快挙から4年、髙橋は金メダル候補として、バンクーバーの舞台に立った髙橋は銅メダル。日本男子、初のメダル獲得をした。実はこの五輪の1年半前、右ひざ・前十字靭帯を断裂。壮絶なリハビリを続けていた。そんな地獄の苦しみを乗り越え、掴んだ栄光だった。髙橋は、一躍時の人になり、男子フィギュアへの注目は格段に上がった。
今年のソチ五輪では、当然の様に日本中が金メダルを期待する存在となっていた。しかし、ソチ五輪では、日本中が髙橋の金メダルを期待していた。しかし、その期待を感じる反面、髙橋は2年ほど前から自分が置かれている立場に不安を感じていたという。
髙橋「本当にいつ外れるんだろうっていう感じで過ごしていたんで、空回りしていた。やっぱり羽生君の存在が大きかった」
髙橋が銅メダルを獲得したバンクーバー以降、男子フィギュア界の情勢は大きく変わろうとしていた。小塚崇彦や町田樹など下の世代が台頭し、世界で結果を残すようになった。特に意識したのが、2012年3月、17歳で世界選手権銅メダルを獲得した羽生結弦だった。
髙橋「彼は場を支配するというか、そういう空気感を出す選手。テクニックもすごい持ってるし、すぐに(勢力図が)変わっちゃうなって思った。自分が結果を残せなかったら。」
2013年12月、ソチ五輪代表を決める全日本選手権に出場。しかし、この1ヶ月前、右すねの骨挫傷に見舞われ、満足な練習が出来ないままの出場だった。結果は5位。優勝は羽生結弦だった。髙橋は、世界ランキングでの実績が評価され、五輪代表に選ばれたが、意識続けた「世代交代」という言葉を世間が囁き始めたことを、髙橋も敏感に感じていた。。そして迎えた今年2月のソチ五輪、これが最後の五輪。そんな思いでリンクに立った。日本のエースとして3度、五輪の舞台に挑んだ男の集大成。髙橋は、最後の演技を笑顔で終えた。結果は6位。日本中の期待を背負い続けた男の魂の演技は、メダルこそ届かなかったものの、多くの人々に感動を与えた。そして、この6分後、ひとつの歴史が刻まれた。金メダルを獲得した羽生に、髙橋は、こんなエールを贈った。
「これからは彼が、日本を背負っていく。引っ張って行ってもらいたい」
そして、五輪から8ヶ月後、髙橋大輔が引退を発表。最後に聞いてみた。髙橋大輔にとってスケートとは?
「一番自信を持てる場所。自分の居場所だった。」
日本のスポーツに新たな歴史を刻んだ髙橋大輔。その不屈の魂は、後輩たちに受け継がれ、どんな実を結ぶのか。今後は、プロスケーターとして、活動をし、第2の人生を模索していくという。
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