バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #424 2014.5.17 O.A.

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三冠王 松中信彦 愛する家族のため40歳再起をかけた戦い!
日本球界を代表するバッターが、もがき苦しんでいた。
三冠王を獲得したこともある、松中信彦。
かつての輝きを取り戻すべく、40歳の肉体に喝をいれる。
愛する家族の記憶に、もう1度カッコいい姿を焼き付けるために…
わずかな打席に、野球人生を懸ける松中の戦いの日々を追った。
誰もが認める、日本最強のバッター、それが松中信彦だった。相手をことごとく打ち砕き、チームに勝利をもたらした。10年前、30歳の松中は、打率・ホームラン・打点、全てでリーグトップを誇り、恩師・王貞治と肩を並べる、日本プロ野球史上7人目の三冠王を獲得。2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシックでは日本の不動の4番を任され、世界一に貢献した。松中は間違いなく、日本を代表するスター選手だった。
そんな、ホークスの顔とも言うべき松中が、今はレギュラーポジションもなく、ベンチの片隅で出番を待ち続けている。
松中は2009年、度重なるケガに悩まされ出場機会が徐々に減少。
2013年の松中の一軍出場数はわずか9試合、ホームランはゼロだった。
かつて5億円だった年俸も今はその10分の1の3500万円。
しかも、オフの大補強で、松中とポジションが重なるイ・デホがオリックスから入団。
自分よりも8歳若く、即戦力として期待されるライバル。松中が試合に出るには、あらゆる面でイ・デホを上回り、押しのけるしかなかった。
40歳のベテランに迫る、厳しい現実…。
それでも松中の心に諦めるという言葉はなかった。
松中は今シーズンの準備をオフシーズンの11月から始め、肉体改造に取り組んだ。ケガに泣かされ続けた下半身への負担を軽減するため、パーソナルトレーナーであるケビン山崎に初めて指導を仰ぎ、筋力アップと体幹トレーニングに励んだ。
努力は実った。松中はシーズン開幕を一軍で迎えることがきた。
3月28日、プロ野球開幕当日。
松中家では、毎年この日、親族が集まり、祝いのご馳走が用意される。この日に欠かせないのは、赤飯と尾頭付きの鯛。
いつも松中を影で支え、野球に専念できるようにと家庭を守ってくれる妻・恵子さん。そして元気をくれる子どもたち。家族のためにも結果を残さなければいけない…。
本拠地、ヤフオクドームで千葉ロッテを迎えての試合。ソフトバンクは前評判通り、強力打線が爆発。11−5の大差でソフトバンクが勝利。この日、松中が打席に立つチャンスは巡って来なかった。
翌日の第2戦。土曜日のデーゲームだったため、スタンドに家族が応援に来ていた。ソフトバンク3点リードで迎えた8回裏。この場面で秋山監督が代打に送ったのが松中だった。松中の登場に大歓声が巻き起こる。2014年の初打席。「打ちたい…」そんな思いがあふれていた。しかし、惜しくも内野ゴロに終わった。
開幕からおよそ1か月たった、4月23日、対日本ハムファイターズ戦。
まだヒットは1本も打てていない。この日も松中はベンチスタート。結果を残せなければ2軍に落とされる…。松中は追い詰められていた。
そして迎えた6回表。松中に出番がやってきた。
初球、変化球を見逃し、1ストライク。
「なんとかしたい…」そんな思いでいっぱいだった。
2球目に手を出し、セカンドゴロ。
しかし、40歳の松中が必死に走った。判定はセーフ。今シーズンの初安打を記録した。
かつて、三冠王を手にした男が、なりふり構わずもぎ取った今シーズン初ヒット。
そんな松中の懸命な姿に、観客から大きな拍手が湧き上がった。
松中の顔にも笑顔がこぼれた。
復活を目指す40歳、松中信彦。栄光を知るかつての三冠王がチームのため、そして家族のために、限界を突き破るその時まで、もう1つのバース・デイが訪れるだろう。
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